☆おうちでできる健康チェック☆ 尿について
皆さまこんにちは!
獣医師の鵜飼です。寒い季節になりました。。
もうすぐクリスマスですが今年は出かけられないので、家でおいしいものを食べようと思います。。
さて、
寒くなって外来でもストラバイト結石/結晶による膀胱炎の猫さんをみかけるようになってきました。
今回はおうちでできる、尿のチェックポイントについて書こうと思います。
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猫も犬も、それぞれにトイレの好みがあります。
外でしかしないわんちゃん、猫砂が汚れているとわざと違うところでする猫ちゃん、いろいろです。
そんななか、健康面で見張っておいておかなければいけないことは、、、
1、色!!
2、量!!
3、排尿回数、しぐさ!!
の3つです。
ほかにも細菌性膀胱炎の時のにおいや、糖尿病のべたつく尿、結石猫のキラキラ感なども大切ですが、
↑の3つが基本のチェックポイントになります。
1 尿の色
注意しなくてはいけない色は、まずは血尿の赤です。
排尿のさいごの方だけが赤いパターンと、最初から最後まで赤いパターンがあります。
また、尿の中に赤い点々(血餅)が混じることもあります。
これらの場合は、まずは膀胱炎、長く続く場合は前立腺や膀胱のできものからの出血を疑います。
血尿よりもっと命にかかわるのが、黄疸尿の濃い黄色~オレンジです。
肝臓や胆のうの病気、また重度の膵炎、血液の病気で現れるのが黄疸です。
血中のビリルビンという黄色の色素が増加して、尿の色が濃いオレンジになります。
こちらは、人間の病院さんのHPの尿色見本の写真をお借りしたのですが(勝手にごめんなさい)
右側3本の色が動物たちで出ていたら異常です。
2 量について
「尿の量が多くなる+飲む水の量も多くなる」ことを「多飲多尿(たいんたにょう)」と呼びます
一日に飲む水の限度は体重1kgあたり100mlと言われていて
5kgの子がペットボトル1本を飲みきったら明らかな異常です。
ここまではなかなか飲まなくても、前と比べて増えたかどうかで判断していきます。
多飲多尿の原因の代表は、腎不全です。
また、糖尿病や、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が見つかることもあります。
まずは、ご自宅のお水のお皿に1杯で何mlのお水が入るのか確認してみましょう!
去年と比べて、お水のおかわりが増えていませんか??
3 排尿の様子について
こちらは特に猫ちゃんの膀胱炎で大切なチェックポイントです。
冬は寒くなってお水を飲む量が減る為、尿が濃くなりがち…
下部尿路疾患といって、膀胱炎症状がでてくる猫ちゃんが増えます。
何度もトイレに行く、尿がでないのにトイレポーズをする、排尿痛で鳴く、などです。
膀胱炎による残尿感、頻尿は本人もとてもつらいです…
また、
膀胱結石が尿道に詰まった際の、尿閉塞は緊急状態です。
ちょびちょびでも頻尿として尿が出てくれていればまだよいのですが、
トイレポーズをとるのに一切尿が出ていない場合は、急いで動物病院へ行ってください!
尿道が詰まってしまっていると、腎不全を起こし、命にかかわります。
https://www.royalcanin.co.jp/new/health_nutrition/health/urinary/
こちら、処方食のロイヤルカナンさんの猫下部尿路疾患のページです。
イラストや写真も多くのっているので、猫の飼い主様はぜひご一読を。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
人間も動物も、しっかり水分をとって、寒い冬を乗り切りましょう♬
良いお年をお過ごしください。