ペットの病気・気になる症状

猫の通院ストレスを軽減するために

 

 

みなさんこんにちは!

最近誕生日を迎え、27歳になった獣医師の中垣です!

 

若い奴が何を偉そうにと言われるかもしれませんが

歳を取るのは本当にあっという間ですね。

 

今年もそのあっという間の日々を

毎日全力で、1日1日を大事に生きていきたいと思います。

 

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また、関係ないですが、

私の好きな稲盛和夫さんの言葉を載せておきます。

 

人生や仕事の結果というものは、

「考え方」と「熱意」と「能力」の掛け算で決まるんだよってことです。

 

全ては掛け算なので、いくら熱意や能力があっても

考え方、つまり動機や想いが不純であったり的外れだったら

その結果は大きくマイナスに傾いてしまうという意味がこめられているそうです。

 

簡単に言えば、

「この商品を売って金儲けするぞ」っていう人より

「この商品を多くの人に届けて幸せになってもらおう」と考えている人の方が

大きなことを成し遂げる気がしますよね。

 

私も「考え方」を大事にすることをすごく意識しています。

 

 

ところでみなさんは、

猫ちゃんのストレスが爆発したところを見たことはありますか?

 

私は獣医師という職業をしていますので

猫ちゃんが我慢の限界に到達した姿を何度か目にしたことがあります。

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まさかうちの子がと思うかもしれませんが、

猫ちゃんはストレスに非常に弱い生き物です。

 

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家に知らない人が来たり、

引越しをしたり、

近隣で工事をしていたりするだけで

かなりのストレスがかかってしまいます。

 

それが原因で病気になってしまうことがあるくらいです。

 

そんな猫ちゃんが、

普段家の中で生活しているにも関わらず

外に出て、また病院に行くとなれば

どれほどのストレスがかかるか想像しやすいと思います。

 

それが嫌で病院に連れて行くことを

諦めている飼い主さんも多いのではないでしょうか?

 

ただ猫ちゃんの健康を維持する上で

病院での定期検診や治療を受けることは非常に重要であり

通院するという行為はなかなか避けては通れません。

 

久々にワクチンなどの予防接種で来院した際に

たまたま病気が見つかると言ったことも多々あります。

 

なので今回は、

少しでも猫ちゃんの通院ストレスを軽減できるように

みなさまにストレス軽減の工夫をご紹介したいと思います。

 

まず、前提として猫ちゃんの診察は「スピードが命」と考えています。

これは雑に早く終わらせると言った意味ではなく

スムーズに診察をし、スムーズに検査して治療していく、

そして一番安心できるお家にできるだけ早く返してあげたいという意味です。

 

時間をかければかけるだけ

猫ちゃんはどんどんストレスが溜まっていきます。

それが爆発してしまうと、すごく攻撃的になったりすることがあり

余計に診察がスムーズに進まなくなり、

さらに猫ちゃんに負担をかけることにつながってしまいます。

 

ではどこで一番時間がかかってしまいがちなのでしょうか?

 

それは診察室内で猫ちゃんをケージから出すときです。

 

ほとんどの猫ちゃんの場合

キャリーケースから診察台に出す時に非常に手こずります。

 

それを難しくしている点は主に以下の2つです。

診察室に入ってきた時点でボルテージMAX

キャリーケースの形状が猫ちゃんをスムーズに出すことに向いていない

 

これを解決することができれば

少しでも猫ちゃんの負担を減らすことができると考えています。

 

①診察室に入ってきた時点でボルテージMAX

 

つまりもうすでに

ストレスが爆発してしまっていることがあるということです。

 

病院に行くために、ケージに入れたいけどその時点で

猫ちゃんと大格闘しているという方は多いんじゃないでしょうか。

 

それに加え車での移動、

また病院内では知らない人や、

ワンちゃんの声も聞こえてきます。

 

病院に来るまで、そしてついたあとも

様々なストレスにさらされています。

 

言い換えれば、ストレス軽減のための工夫はお家の中から始められます。

 

まずは普段から、

移動するためのキャリーケースに慣れさせて上げることが重要です。

キャリーケースの中=安心できる場所にしてあげてください。

 

具体的には、

何もない時でもキャリーの扉を開けておいていつでも入れるようにしておく

おもちゃなどで誘導し入った時にはおやつをあげる

などです。

 

また移動中は、普段から使用している

おもちゃや匂いのついたクッションやタオルなど入れてあげて

リラックスできる空間を作ってあげることも大切です。

 

そして病院内では、

キャリーの上からタオルやブランケットをかけて

外が見えないようにしてあげてください。

 

また当院では、診察までに車の中でお待ちいただけるように

呼び出しベルをお渡ししています。

 

診察の時間が来るまでは

車で待っていただくことも一つの方法です。

 

②キャリーの形状が猫ちゃんをスムーズに出すことに向いていない

 

猫ちゃんをキャリーから出そうとしては、

必死に抵抗してまた中に戻ってしまい

あと少しかと思いきや、爪が引っかかってまた中に戻ってしまう。

 

こんな状況を何度も見かけます。

 

これでは猫ちゃんのボルテージも上がる一方です。

 

できるだけスムーズに出てきてもらうには

キャリーケースの形状にポイントがあります。

 

それは、

扉が二つ以上あること

上下に分かれて取り外しが可能

です。

 

扉が一つしかないと

その狭い出口から腕を入れて

必死に抵抗する猫ちゃんを出さないといけませんが

これがとても難しいです。

 

ただ扉が上にもついていたり

キャリーケース自体が取り外し可能であれば

非常にスムーズに猫ちゃんを外に出すことが可能となります。

 

実際にはこんな感じのキャリーケースです。

キャリー

 

実際に日頃猫ちゃんを診察していても

このように取り外し可能なキャリーケースであれば

とてもスムーズに猫ちゃんを出すことができると感じています。

 

私も一飼い主として、

猫ちゃんの通院の大変さは理解しているつもりです。

 

少しでもストレスを軽減してあげるために

今回ご紹介した工夫を実践していただけると幸いです。

 

最後に私の愛猫の写真をあげて終わりにしたいと思います。

誕生日にもらったお花と一緒に写るしずく君です。

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。かわいすぎて言葉が出ません