こんにちは
獣医師の中です。
暖かくなり、蚊が姿をあらわす頃、どうぶつには予防のシーズンが始まります。
皆様、お忘れのないようにお願いいたします。
さて当院では、タイトルにあります
「低アルブミン血症」
という状態に陥り闘病中のわんちゃんが現在4人います。
そもそも
「アルブミン」ってなんぞや?
となると思いますが、
アルブミンとは、血液検査において一般的に測定される項目のひとつです。
体の中の「たんぱく質」のおよそ60%
血液の膠質浸透圧(濃さ)の80%を担っているものです。
体の中では物質の運び屋としても働きます。
なぜ、アルブミンが少なくなるのでしょうか?
その原因は、
- 作られていないか
- どこかで漏れているか(だいたい腸か腎臓)
- 他のものに作り変えられているか。
血液検査の結果、アルブミンが2.5g/dLを下回れば
「低アルブミン血症」と判断されます。
そこまでは簡単なのですが、
わかってから原因を追求するまで結構大変な道のりがあります。
低アルブミン血症は病名ではないため、
他の病気の症状のひとつとして発現しますが、
- 傷は治らないわ(たんぱく質なので)、
- 薬の効き目が変わるわ(物質の運び屋なので)、
- 全身むくむわ(血液が薄くなるので)、
体がたいへんな状態に陥ってしまいます。
不思議なのが、
こういった病気のコラムを書きはじめると、
なぜかタイムリーに同じような症例が来院されることです。
(縁起でもありません)
今日もひとり、腸からたんぱく質が漏れている疑いのある患者様が…。