こんにちは!
獣医師の足立です。
最近春めいてきましたね~!
はやくピクニックできる日が待ち遠しいです♪
——————————————–
今日は皮膚糸状菌症
についてお話します。
【 原因は?】
皮膚糸状菌と呼ばれる
真菌(カビ)の感染です。
糸状菌は何種類かいて、
感染する糸状菌でよくあるものは
①Microporum.canis
犬の70%、猫の99%
②M.gypseum
③M.Trichophyton metagrophytes
になります。
【 どうやって感染する? 】
おもに皮膚糸状菌に感染した
犬猫(特に子猫)、
感染した毛やフケの接触により感染します。
原因菌別では
①③は感染動物、
③は特にウサギやげっ歯類から
②は汚染土壌から感染します。
【 どんな症状が出る? 】
左右非対称で
境界部はくっきりしている脱毛。
フケ、赤み、痂疲が出ることもあります。
初期症状は、直接菌と接触しやすい
足先、手先、耳などの末端部が多い。
かゆみはさまざまな程度で出ます。
たいていは軽度です。
【 どうやって診断するの? 】
ウッド灯検査
感染した毛が青りんご色に発色します。
①の約50%で検出できます。
毛検査
ウッド灯で発色した毛を
顕微鏡下で観察します。
皮膚掻爬検査
病変部の表面にある
短い毛やフケを集め
顕微鏡下で観察します。
皮膚病理検査
一般的には、毛に感染するものですが
深在性真菌症の診断には
必須の検査です。
真菌培養検査
糸状菌の存在を確認する検査です。
感染を証明するものではありません。
菌種を同定し、感染ルートを探るのに用います。
【 重症化しやすいのは? 】
ヨークシャテリア
ペキニーズ
ジャックラッセルテリア
ペルシャ
で重症化しやすいと言われています。
【 どうやって治療するの? 】
抗真菌薬
剪毛
病変部より大きく毛を刈っていく
外用抗真菌薬
スキンケア
薬用シャンプーで週に1-2回洗浄していく
環境対策
感染拡大を防ぐために行う。
感染した毛やフケがある可能性があるものを清浄化していく。
消毒には0.5%次亜塩素酸ナトリウムが有効。
【 気を付けることは? 】
人間にもうつる感染症です。
ご家族にも皮膚症状があれば、病院の受診をおすすめします。