「知識」は勉強によって年齢関係なく身につけることができますが、
「経験」だけはどうにもなりません。
獣医師あるあるですが、一度自分自身が病気になると
「やった、これでこの病気になった子の気持ちがわかるぞ」
と謎の好奇心が満たされることがあります。
僕は椎間板ヘルニアに2度なり、全く動けない程の神経性の痛みを経験し、救急車で運ばれました。
今もまだ、左足には座骨神経痛が残っています。
それからというもの、
どうぶつの椎間板ヘルニアの治療、
主にリハビリを勉強しました。
また以前、僕はモーレツな腹痛に襲われたことがあり、
「このまま死んでまうんちゃうか…」と半日トイレで丸くなっていたことがありました。
それ以来は「痛み」は「生きるためのメンタルを粉々に破壊する」とわかり、
麻薬系の鎮痛剤を使用するための免許を取り、
痛みを取るための方法論を積極的に勉強するようになりました。
今までの経験から言うと、
キツイ言い方かもしれませんが、
どうぶつの感じる「痛み」は、
担当医によってかなり左右されるというのが結論です。
自分自身の「経験」を生かし、
どうぶつの受ける「痛み」という事象についてしっかり受け止め、
話せないどうぶつの代わりに飼い主さんに代弁し、
痛みケアの選択肢をたくさん提案できればいいなと考えています。