ペットの病気・気になる症状

先生、血が止まりません!

 

 

みなさんこんにちは!

 

10月に引っ越しをして新生活をスタートさせることに

胸を躍らせている獣医師の中垣です!

 

最近、免許の更新のために1人で試験場に行ったのですが

8月19日(バイクの日)ということで

白バイに乗れるキャンペーンがやっていました。

 

せっかくなので童心にかえってきました(笑)

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そしてそして、10月からは月に1回

りんくうタウンにある大阪公立大学の夜間救急で働かせて頂くことになりました。

僕自身、新しいことに挑戦することが大好きなので、本当にワクワクしています。

 

また、そこで得た知識や経験を持ち帰り

イデア動物病院に通ってくださるみなさまに

しっかり還元できるように頑張ろうと思います。

 

さて、今回は一見珍しいように思えて

病院では意外と目にすることがある

この病気についてご紹介したいと思います。

 

それが免疫介在性血小板減少症です。

僕は未だにこれを噛まずに言えません。

 

名前がすごく長く、難しいように思えますが

病態は至ってシンプルなので、それを説明していきたいと思います!

 

①どんな病気なのか

「免疫介在性血小板減少症」とは、

名前の通り免疫システムが働くことで

血小板がどんどん少なくなっていってしまう病気です。

 

本来、「免疫」とは自分たちの体を守るために

体に侵入してくる敵、つまり細菌やウイルス、腫瘍などを攻撃する働きがあります。

 

免疫力が高い人は、風邪を引きにくいって言ったりしますよね。

 

ただこの免疫のシステムが、

何らかの理由で誤作動を起こすことがあるんです。

 

ここで言う誤作動とは、

敵と味方(自分自身)の見分けがつかなくなってしまい

味方にまで攻撃を加えてしまうことを言います。

 

この免疫の誤作動によって

本来味方であるはずの血小板が壊されていってしまう病気

それが「免疫介在性血小板減少症」です。

 

血小板が壊されて何がダメなのか。

それは血小板の体の中での役割を知ると理解できます。

 

血小板は、何らかの理由で体の血管が傷つけられた時に

そこに蓋をする形で血を止めるように働きます。

 

またそこから血を止めるために

仲間を呼び寄せより強固に蓋をしてくれる

そんな働きがあります。

 

つまり、血小板が少なくなってしまうことで

体のあらゆる血管が破綻した際に

それらの機能が働かなくなり

出血を止めることができなくなってしまうのです。

 

②どんな症状が出るのか

代表的な症状としては、

・体表の点状出血

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・紫斑

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・血便

・吐血

・血尿

などなどです。

基本的に血を止める作用を持つ血小板が少なくなってしまうために

出血に類する症状が認められます。

血が止まりにくい、そんな怖い状況がずっと続いてしまうのです。

 

③治療

治療は免疫の暴走を止めるために

主にステロイドなどの免疫抑制剤を使用していきます。

 

多くの場合、

これらの免疫抑制剤による治療は長い期間必要となるため

副作用を抑えるために他の薬剤を併用したり

再発をより早期に発見するために

定期的な検査が必要になります。

 

今回は免疫介在性血小板減少症について簡単に説明しましたが

この病気は死亡する可能性もある病気であり

より早期の治療の介入が必要です。

 

今回挙げたものと似たような症状を見つけられた際は

早めに動物病院にご相談いただくことをお勧めいたします。

【 ひふ 】 犬はげ ~ 季節性脱毛症 ~

 

こんにちは!獣医師の足立です。

 

先日、仕事が終わって帰るときに

ふと遠くを見つめる人たちがいたので

私も同じ方向をみると

打ち上げ花火があがっていました!

 

不意にみる打ち上げ花火って

なんか得した気分になって、うれしくなりますね♪

 

 

 

 

 

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今日はハゲシリーズ第4弾

今回も不思議な脱毛の病気

季節性脱毛症です。

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【 どんな病気? 】

 

名前の通り、季節によってハゲる病気です。

冬に体の一部がハゲてきます。

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【 原因はなに? 】

 

決まった犬種で発症するので、

遺伝的な要因が疑われています。

日照時間や気温の変化などにもよると言われています。

 

 

 

【 起こりやすい犬種は? 】

 

シュナウザー

ボクサー

イングリッシュ・ブルドッグ

エアデール・テリア

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【 どんな症状が出るの? 】

 

一般的に秋から冬に脱毛し、

春から夏に育毛してきます。

 

脱毛は背中から腰にかけて起こります。

脱毛部は境界明瞭で、色素沈着が見られます。

育毛時、毛の色の濃さが変わったり

黄金色の毛が生えてくることもあります。

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(https://magazine.vdt.co.jp/954/

どうぶつの皮膚科耳科アレルギー科HPより)

 

 

一度しか症状が出ない子もいます。

かゆみはありません。

 

いろいろな年齢で発症すると言われていますが、

3-6歳で特に多いとされています。

 

 

 

【 どうやって診断するの? 】

 

犬種、脱毛場所、経過から診断していきます。

 

 

 

【 どうやって治療するの? 】

 

治療法はありません。

脱毛する1-2か月前から、

メラトニンを投与すると再発を予防できると言われています。

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おうちのわんちゃん、ねこちゃんで

気になる点、疑問がありましたら

獣医師またはスタッフまで相談ください。

 

 

 

【 ひふ 】 犬はげ ~ パターン脱毛症 ~

 

こんにちは!

獣医師の足立です。

 

ベランダ菜園にチャレンジしてるんですが

プチトマトがついに実り

先日実食してみました。

 

自分で育てた具合もあるのか

いつも食べているスーパーのものより

甘く感じてとてもおいしかったです!

こんな簡単に野菜って育てられるんですね。

子供がもう少し大きくなったら

一緒に収穫して食べるのが楽しみです。

 

 

 

 

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前は、脱毛症X、

黒色被毛毛包形成異常症

淡色被毛脱毛症

についてお話させてもらいました。

 

今回は、またハゲシリーズで

パターン脱毛症という病気について

お話させていただきます。

 

 

 

 

【 どんな病気? 】

 

毛の構造に異常が出る病気です。

体の特定部位の毛が薄くなってきます

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【 原因はなに? 】

 

遺伝的な要因が疑われています。

毛の根っこの毛球が小さくなり、

毛が細くなっていく病気です。

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【 起こりやすい犬種は? 】

 

ダックスフンド

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ミニチュア・ピンシャー

イタリアン・グレーハウンド

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ボストン・テリア

など

 

 

 

【 どんな症状が出るの? 】

 

若齢、6ヶ月齢ごろに発症します。

耳の外側、首の下側、

胸からお腹、ももの後ろ

に左右対称で

進行性の脱毛が起こってきます。

痒みはありません。

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【 どうやって診断するの? 】

 

犬種、発症年齢、症状から推測し、

同じような症状の病気を除外して診断します。

確定診断は病理検査によります。

 

 

 

【 どうやって治療するの? 】

 

基本的にはありません。

メラトニンなどのホルモン剤や

サプリメントで改善する場合があります。

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何か気になる点、疑問がありましたら

獣医師、スタッフに相談ください。