こんにちは!
獣医師の足立です。
卒業シーズンですね。
花を持って歩いている学生をみると
関係ないのに
なんだかセンチメンタルな気持ちになる今日この頃です。
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今日は猫のアレルギー性皮膚炎についてお話します。
【 どんな皮膚症状? 】
◆左右対称の脱毛
◆粟粒性皮膚炎
― ポツポツした皮膚炎
◆頭や首周りの皮膚炎
(↑ネットより)
◆好酸球肉芽腫症候群
◇無痛性潰瘍 ― 膨れた口内炎
(↑ネットより)
◇線状肉芽腫 - 線状に膨れた皮膚炎
◇好酸球性プラーク ― 多数の島状で膨れた皮膚炎
猫のアレルギーでは皮膚症状の他に
下痢嘔吐などの胃腸の症状や、
咳など猫喘息の症状がでることもあります。
【 原因は? 】
⓵アトピー性皮膚炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲン
②食物アレルギー
③ノミアレルギー
1か所刺されるだけで広範囲にかゆみが出てしまうもの
【 診断方法は? 】
確定診断は難しい病気です。
簡易的な診断方法としては
痒がって、舐めている
↓
細菌や外部寄生虫症(ノミ、ダニなど)の除外
その他の痒みを伴う皮膚病の除外
↓
上記◆の中の皮膚炎がひとつでもある
という流れで診断していきます。
【 治療について 】
シクロスポリン
ステロイド
オクラシチニブ(アポキル)
などのお薬を主に使っていきます。
お薬の効き目や副作用の有無は
個体差があります。
一般的に効果が出るのは少し遅めですが
シクロスポリンが効きやすく、
安全性が高いお薬になります。
アポキルは犬のアトピー性皮膚炎のお薬です。
高容量で猫でも効きます。
これも安全性が高いお薬です。
以下の治療でも
症状が緩和されたり、
薬の量を減らせるということが分かってきました。
シャンプーなどのスキンケア
整腸剤(プレプロバイオティクス)
【 病院に来た患者さん 】
この猫ちゃんはお腹をずっとなめているという主訴で来院した子です。
好酸球性プラークとよばれる典型的な皮膚症状でした。
皮膚の細胞診や血液検査では
好酸球という赤い顆粒を持つ細胞が多くなっていました。
ご家族と相談し、投薬治療を開始したところ
まだ病変は残っていますが、2週間でかなりの改善が見られました。
引き続き、ご家族と一緒に治療をがんばっていきたいと思います。