こんにちは。
獣医師の中です。
最近暑い日が続きますね。
この仕事をしていると、
あまり日中外に出る機会はないですが、
子供を連れて虫やサワガニ取りに出かけたときなんかに
あらためて夏を感じることが多いです。
皆様、くれぐれも
アウトドアでの熱中症には気をつけてくださいね。
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今回のコラムは何にしよう…。
と思っていたら、
ここ最近で
緑内障のワンちゃんを連続で診察する機会がありました。
緑内障とは、
目の水分がなんらかの原因でたまり、
目が腫れてしまう病気です。
緑内障は「眼圧」が高くなるので
診断自体は容易です。
この機械でポチっとして眼圧を計るだけです。
おとなしい子であれば一瞬で終わります。
「じゃあ何で緑内障になるんだ」
っていう原因についてはたくさん考えられるので、
それ以外にも
色んな検査をしないといけない訳ですが…。
緑内障は外観も特徴的で、
散瞳といって瞳孔が開くので、
名前の通り目の奥が緑(青っぽく)に見えます。
また、白目の部分は真っ赤に充血します。
人間では、頭痛などの症状で、比較的早期に発見できるのですが、
どうぶつでは、発見された時は経過が長いことが多いです。
高眼圧が持続して網膜がやられ、
すでに失明している場合もあります。
治療としては、以下の2つに分けられます。
◯視力が残っている場合
・・・目薬や麻酔下の処置で眼圧をコントロールします。
◯視力がもはや残っていない場合
・・・義眼や眼球摘出などの外科手術を検討します。
目薬はかなり高価であり、
簡単にさせてくれない子も多く、
発見時には視力があっても
結局は失明に至ることが多いです。
獣医師・オーナー様を悩ませる、
治療が難しい病気のひとつですね。