ペットの病気・気になる症状

たかがノミと言うなかれ。

 

 

こんにちは!

皆さんお元気でしょうか?

いやぁ、最近またグッと冷え込みましたね。。

毎朝カチコチに凍えながらバイク通勤をしている獣医師の中垣です!

 

スノーボード用の手袋をして運転しているのですが、

それでもやっぱり手がキンキンに冷えてしまうので

それが最近の1番の悩みです(笑)

 

さて、本日はみなさんお馴染みの

この寄生虫について少しだけご紹介させて頂きたいと思います。

 

それがこちら!

ドンッ!!!

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そう、ノミです!

写真では大きく見えますが、実際の大きさは約2〜3mmと言われています。

すごく小さいですよね。

 

ただこの物凄く小さい虫が、人や動物に物凄く大きな被害をもたらします。

 

皆さんは「ペスト」という感染症をご存知でしょうか?

ペストとは、ネズミが持っているペスト菌が原因となり、

ノミがそのペスト菌をヒトに運んでくることで感染してしまう病気です。

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今はあまり馴染みがありませんが、

遥か昔は世界中で大流行し、当時の人口の5分の1に当たる人々が命を落としました。

 

そのため、ノミは「一時的に人類に最も多く死をもたらした害虫」とも言われています。

こんな小さい虫がそれほどの被害をもたらすなんて、驚きですよね。

 

もちろん日本でこのペストの感染は長い間報告されていませんが、

ノミはペスト以外にも、たくさんの感染症をヒトだけでなく

おうちのワンちゃんやネコちゃんにも運んできます。

 

他にも厄介なのが、感染症を運んでくるだけではなく

ノミに吸血されることでさまざまな問題が起こってしまうことです。

 

その問題とはざっくりと、

 

人ではこんな感じ。

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ワンちゃんネコちゃんではこんな感じです。

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強いアレルギー症状による皮膚炎

大量のノミから吸血されることによる貧血が代表的です。

 

どんな感染症を運んでくるのかということについては今回は省略して、

私がお伝えしたいのはこの厄介なノミが、

ワンちゃんやネコちゃんに寄生してしまわないために「予防すること」の大切さです。

 

当院では、ワンちゃんネコちゃんのノミ予防は一年中をお勧めしています。

ノミはあったかくて、じめじめした環境を好むため夏によく繁殖します。

 

ただ、部屋の中のカーペットやソファ、冷蔵庫の下、

また動物さんたちの生活圏(クッションなど)などの暖かい場所では

たとえ冬でもノミたちは繁殖を続け、産卵、孵化していると言われています。

 

そのため、冬でも予防しておくことに越したことはありません。

 

ただ予防というものはコストがかかるものなので、

リスクの高い夏の時期だけ予防するというのも一つの選択肢だと思います。

 

いつまで予防すべきか、どのように予防したらいいのかなど

ご相談はいつでも受け付けていますので、ご気軽に相談ください。

飼い主さまのお話を伺いながら、一緒に最善の方法を考えていきたいと思います。

 

最後にひとつ、ノミの豆知識を紹介して今月のブログを終わりにします。

 

〜ノミの跳躍力〜

ノミがぴょんぴょんと跳んで、地面から動物へ、

また動物から動物へ寄生していくことは皆さんご存知だと思います。

 

だいたい縦方向に30cmほど、ぴょーんと跳ぶことができるそうです。

30cmは、人間からしたらそれほど高くないと感じますよね。

 

ただノミの2mmという体の大きさから、30cmの高さまで跳んでいるんです。

これを人間の身長に置き換えて考えてみると、どの高さまで跳んでいると思いますか?

 

それは、、、東京タワーのてっぺん、だそうです(笑)

一回のジャンプで東京タワーのてっぺんまで行けるそうです。

 

ノミたちがそれほどのすごいジャンプをして移動していることを想像すると

少しかわいく思えてきますよね(笑)

 

ではまた来月のブログを楽しみにお待ちください!!!