ペットの病気・気になる症状

フィラリア症について

4〜6月の予防のシーズンがもうすぐやってきます。

オーナー様の中には、

はがきが届いたので、

ただなんとなく動物病院にきて、

何かのワクチンの注射をして、お薬をもらって…という方もいらっしゃるようです。

 

当院では、

予防内容を繰り返し説明し、理解していただいたほうが、

より重要性を知り積極的に予防に取り組んでいただけると考えておりますので、

しつこく、しつこく、説明するよう心掛けております。

ウザい!と思わずに聞いてください。

 

予防は、あくまで「予防」。

病気になってからでは遅いので、

病気にならないようにするための医療行為が「予防」にあたります。

「予防」は効果がわかりにくいため、利益と関連づけられて叩かれやすいですが、

昨今の動物の平均寿命の上昇が、予防の重要性を物語っていると思います。

 

たまにネットなどで、動物病院のお金儲けのため、なんて書かれたりしますが、

病気にならないように予防に取り組んでいるのに、悲しい気持ちになりますね。

そんなこと言うなら、

どの業種であっても、社会人として利益を出さないと生きていけません。

 

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では本題にうつりますが、

昔から、平均寿命を下げていた代表的な病気がフィラリア症になります。

予防の中で、1番重要といっても過言ではありません。

なぜなら、そのへんにいる「」が媒介する病気であるからです。

 

ちなみに蚊は、世界で最もヒトを殺している生物です。

(年間に約72万人だそうです!)

 

フィラリアに感染すると、

心臓にそうめんみたいな成虫がたくさん寄生して、

心臓や肺、血管などの循環器系に多大なダメージを与え、

放置すれば死に至ります。

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これを予防するためには、

年一回、1年間効果のある駆虫薬注射する方法や、

蚊のいる4・5月〜12月までの月一回、

飲み薬スポット薬を投与して、

蚊から移動してくる幼虫をこまめに「駆虫」することが大事です。

 

当院でも、

2〜3月にフィラリア駆虫薬の注射

4〜6月に各種予防・健康診断のキャンペーンを行います。

詳細はまたホームページの「お知らせ」などで事前に告知していきますので、

よろしくお願い致します。

恐怖の胃拡張・捻転症候群

あけましておめでとうございます。

旧年は大変お世話になりました。

本年度もよろしくお願い致します。

 

皆様は冬の休暇、

ゆっくりされましたでしょうか。

私はひたすら手術、急患、入院、ペットホテルの世話をしていました。

 

そんななか、ゲレンデが溶けるほど恋したいのか、

健康診断をかねた超音波検査中、

無意識のうちに広瀬香美を口ずさんでおり、

保定中のスタッフに白い眼で見られてしまいました。

(ちなみに、私は妻も子供もおります)

 

さて、皆様は、

大型犬に多発する、

胃拡張・捻転症候群(Gastric Dilatation-Volvulus:GDV

という病気をご存知でしょうか。

 

夜間救急を経験した獣医師であれば一度は経験する疾患であると思います。

当院でも年末の診療時間外に一例執刀しました。

 

私は腰が悪いため、大型犬の診療はとてもたいへんです。

 

GDVは胸の深い大型犬種に多くみられますが、

ミニチュアダックスなどの小型犬にもみられます。

原因は明らかになっておりませんが、

胃の中がガスでパンパンになり、ねじれてしまう病気です。

 

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大型犬のオーナーさんの中には、

食前食後は興奮や運動をさせないようにしたり

早食いドカ食いをやめさせたり

消化の良いフードを与えたりして

この病気にならないよう気をつけていらっしゃる方もおられます。

 

GDVは緊急疾患のため、病院としてもスピード勝負となります。

急に胃がねじれ、

胃にくっついている脾臓、腹部の大血管がまきこまれて虚血して

時間とともに致命的なダメージを負ってしまうのです。

 

診断後、すぐにガス抜きをして、

開腹下でねじれを修正し、

再発することがないように、

胃と腹壁を固定します。

 

もし迅速に手術まで乗り越えてくれたとしても、

組織の壊死、再還流障害などの問題があり、

術後の死亡率も高い恐ろしい病気です。

 

経験上、

ねじれを修正した後に、

血流が戻り組織の色が良くなる症例は予後が良いようですが、

発症後の時間経過が長かったり、

ねじれの角度が大きく、

修正後も濃い紫色から色が戻らない症例は予後が悪いと思われます。

 

 

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緊急疾患であるGDVの治療で重要なことは、

常に第1発見者であるはずのオーナー様にこの病気のことをよく知っていただき、

食後数時間で急に様子がおかしくなったら

すぐにホームドクターに問い合わせていただくことです。

 

ただし、食後数時間で発症した場合、

ホームドクターが休診時間である場合も多いので、

万が一のために、夜間救急への連絡先を控えておいていただくことも重要です。