昔は、獣医療において
眼科という分野はそれほど重要視されていない分野でした。
というよりも、
治療すべき病気としては認識されていなかったといえます。
理由は、大きくわけて2つあります。
動物は話せないので、視力低下がわかりにくいこと。
また、動物は人ほど視覚にたよって生きていないので、
不自由になることが比較的少ないためです。
しかし、盲目にまで至ると
ものにぶつかるようになったり
環境を怖がるようになったり
あまり動かなくなったり症状として現れます。
QOL(生活の質)が重要視されるようになった昨今では、
視力や外観の温存として
様々な専門性の高い医療がなされるようになってきました。
盲目になる原因として、最も多いのは白内障です。
これは、目の中の水晶体といわれる
カメラのレンズに相当するものが白く濁る病気です。
特に老齢性のものが多いとされています。
※DSファーマさんのサイトに詳しいことが載っています。
※画像は(株)HOYAのサイトより
白内障かどうかの診断には、スリットランプという機械を使います。
特殊な光で目を輪切りにして、
目のどこが白くなっているのかを検査します。
「目が白い」という症状は、
検査してみると白内障ではないことも多く、
核硬化症というレンズの老化であったり
ぶどう膜炎や角膜炎などで、
水晶体以外のレンズに相当する場所(角膜や前眼房)が白くなっていたりすることも
しばしば見受けられます。
たとえ白内障であっても、糖尿病など別の病気が原因である場合もあります。
シニア期のどうぶつにつきましては、
健康診断として年一回以上の
眼科一般検査をおすすめします。
(内容:Menace威嚇・Dazzle眩目・PLR対光・IOP眼圧・SLITスリットランプ・眼底)
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当院では眼科一般検査で費用は3000円です。
時間にして、1〜2分程度で素早く終わります。
(それ以上かけると、どうぶつの集中力が切れ、暴れてしまうためです。)
その他、涙液量検査が1000円追加となります。
※攻撃性のあるどうぶつでは口輪もしくは鎮静剤を使用する場合があります。