こんにちは!獣医師の足立です。
梅雨なのに全然雨が降らないですねー。
梅雨のあのしっとり感を感じるのも好きなんですが、、、
このままだと水不足で
野菜の値段が上がっていくのがこわい今日この頃です。
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今回はわんちゃんの脱毛の病気part2になります。
今日は、ちょっと不思議なはげ方をする
黒色被毛毛包形成異常症
淡色被毛脱毛症
についてお話します。
【 どんな病気? 】
黒色被毛毛包形成異常症は、
体の被毛が2色以上あるわんちゃんで
黒色被毛のところだけ禿げてくる病気です。
淡色被毛脱毛症は、
カラーダイリューション脱毛症とも呼ばれています。
淡い色(ブルー、フォーン)の被毛部分だけ禿げてくる病気です。
【 原因はなに? 】
遺伝性の病気です。
この病気になると
被毛内のメラミン色素の
分布が不均一になり
毛が気弱化し
ポキポキ折れてしまい
脱毛が起きます。
↑ メラミン色素が正常の被毛
↑ 黒色被毛毛包異常症の子の毛
【 起こりやすい犬種は? 】
(黒色被毛毛包形成異常症)
ダックスフンド
ビーグル
ジャック・ラッセル・テリア
ボーダーコリー
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
パピヨン
(淡色被毛脱毛症)
ドーベルマン・ピンシャー
イタリアン・グレーハウンド
ミニチュア・ピンシャー
ダックスフンド
チワワ
ヨークシャーテリア
ボストン・テリア
シェットランド・シープドッグ
スタンダード・プードル
【 どんな症状がでるの? 】
どちらも幼若齢で発症します。
黒色被毛毛包異形成症は
早ければ生後4週間から、
4か月齢までに発症します。
淡色被毛脱毛症は
6ヶ月齢から3歳までに発症します。
最初は頭、足先、かかと、ひじなど
外的刺激が起きやすい場所から脱毛が始まります。
そして症状は進行していきます。
【 どうやって診断するの? 】
簡易検査では、被毛を顕微鏡で確認し
被毛内の巨大メラミン色素顆粒を確認します。
確定診断は、皮膚病理検査になります。
【 どうやって治療するの? 】
遺伝性の病気のため、
現在のところ有効な治療法はありません。
毛が簡単に折れてしまう病気なので、
あまり毛に刺激が起きないように
ケアするようにしましょう。
たとえば、過度なシャンプーやグルーミングなどは
避けた方が良いです。
毛がない分皮膚が刺激に弱くなるため
細菌感染を起こしやすく
紫外線に暴露されやすくなります。
定期的なスキンケアを行っていきましょう。
質問、疑問があれば獣医師までお問い合わせください!