ペットの病気・気になる症状

【 ひふ 】 ~ 肛門腺の新常識 ~

こんにちは!

獣医師の足立です。

 

だいぶ涼しくなりました。

そろそろ紅葉シーンですね!

今年は京都大原の三千院へ

紅葉狩りに行こうかと今から計画中です。

毎日、紅葉情報をウキウキしながら見ています♪

 

 

 

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さて、今日は

みんな気になる肛門腺についてお話しします。

まず、肛門腺と呼んでいるあの構造物

実は正式名称、肛門嚢と言います。

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【 肛門嚢とは? 】

肛門周囲の皮下にある、

分泌物をためる

対の袋状のものです。

 

動物同士のコミュニケーション、

テリトリーの誇示など

に使われていると言われています。

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【 どんな構造? 】

分泌腺がふたつ

汗を出すアポクリン腺

皮脂を出す皮脂腺があります。

 

周りは外肛門括約筋

肛門括約筋に囲まれています。

 

なので、

排便や興奮して力んだ時

内容液が自然に出てきます。

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【 正常の肛門嚢の液体は? 】

色、形状、においともに

犬によりいろいろです。

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【 肛門嚢液が溜まりやすい原因は? 】

軟便、下痢

炎症性腸疾患

食物繊維の摂取不足

→ 肛門括約筋が収縮せず、

出る量が少なくなる

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肥満、アレルギー性皮膚炎

→ 肛門嚢の出口が内側へ入り込み、

外へ出しずらくなる

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過去の外傷の瘢痕化

→ 出口が狭いまたは閉塞する

 

など

 

 

 

 

【 肛門嚢以外でお尻を気にするのは? 】

お尻を気にしている犬の

約50%が

アレルギーが原因

とも言われています。

 

 

 

【 定期的に抜かなきゃいけない? 】

そんなことはありません。

溜まっても、普通は自然に出ていきます。

 

定期的に抜かないからといって

肛門嚢破裂につながることはありません。

 

ただ、溜まって気にする子は

定期的に抜いてあげると良いでしょう。

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【 こんなときは来院ください 】

おしりを気にしてこする

おしりを触ると痛がる

肛門嚢をしぼると血が出る

 

 

 

 

何か気になることがありましたら

お気軽にご相談ください。