ペットの病気・気になる症状

犬の献血してみませんか?

こんにちは!獣医師の足立です。

あっという間に今年も終わってしまいますね。

コロナをはじめ、ほんとに今年はいろいろありました。

来年もこの状況は続くでしょう。

オリンピックもあってほしいような、

なくていいような。。。

 

私は元々体は強い方だと思いますが、

来年もさらに強い体を作っていきたいと思います!

 

 

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最近、患者さんで輸血を必要とする子がチラホラいます。

飼い主さんの中には、

輸血ってアレルギー反応もあるから怖いものじゃないの?

と思う方もいるかもしれません。

 

今回は、輸血にはどんな副反応があって、

動物の様子で何に気を付けたらよいのかお伝えしようかと思います。

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免疫急性反応

輸血直後~数時間以内に起こる副反応です。

 

非溶血性発熱反応

もっともよく起こる反応。

輸血中、直後に1℃以上の体温上昇。

軽度で自然と元に戻ることが多い。

 

急性溶血性反応

基本犬は初回輸血時には出ない。

発熱、粘膜蒼白、ヘモグロビン尿(血尿)など

 

アレルギー反応

かゆみ、浮腫、嘔吐、下痢

 

輸血関連急性肺障害

呼吸困難、発熱、頻脈、低血圧

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免疫遅延性反応

輸血後3-5日以内に起こる副反応。

 

遅延型溶血反応

ヘモグロビン尿(血尿)、黄疸

ミスマッチ輸血による

軽度のことが多い

 

 

 

 非免疫性輸血反応

ドナー血液の不適切な扱い、保存、投与

抗凝固剤の過剰投与

過剰量の輸血、急速投与

ドナー血からの感染症の移行

などにより起こる副反応

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今回は、主な副反応について書きました。

見てわかるように、

非免疫性のものは

ドナー血液の適正な取り扱いをしている限り、

発症を抑えることができます。

 

 

 

 

輸血の流れとしては、

いきなりドナー血を患者さんに入れるわけではありません。

 

事前に血液型を調べたり、

クロスマッチ検査という、

実際に体外でドナーと患者さんの血液を混ぜ合わせて

明らかな免疫反応が起きないか

確認してからの投与になります。

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あとは、何かあったときにすぐ対処できるように

輸血中の患者さんは

一般入院室ではなく

スタッフの目がすぐ届く

ICUで預かりながら投与を行っています。

その時も定期的に様子をみて

呼吸状態や、体温、粘膜色などの様子を見ていきます。

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以上のことで

副反応は100%起きないとは言い切れません。

副反応の出始めを見逃さず、早急に対処することが重要になってきます。

 

 

 

 

輸血を必要としている患者さんは

数日もしくは

数時間以内に命の危機が迫っている場合がほとんどです。

どんな薬や治療にもリスクがないものはありません。

輸血するしないのメリットデメリットを考えたとき、

輸血する方がメリットが大きいことが多いのではないかと思います。

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輸血の目的は、

病気や病状により様々ですが、

実際に輸血をした患者さんは

命が助かったり、

元気になったり楽になったり

寿命を延ばせたり、

大変な手術が乗り越えられたりしています。

何より、ご家族の方がよろこばれる方が多いです。

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輸血やほかに何か気になる点、

疑問がありましたら

お気軽に獣医師、スタッフにご相談ください。