こんにちは!
獣医師の足立です。
すっかり過ごしやすい気候になりましたね~
朝の空気を味わいながら
歩いて出勤するのが
すごく気持ちいいです!
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ワンちゃんがちょっとお歳になり
急に皮膚炎が出てきた。
治療してもなかなか治らなかったり
すぐ再発してしまったり、、
こんなことがあれば、
もしかしたら
ホルモンの病気になっているかもしれません。
皮膚炎の治療が上手くいかない場合、
私たち獣医師は真っ先に、
皮膚病以外の他の病気がないか疑います。
よくある病気としては、
以下の2つのホルモンの病気です。
甲状腺機能低下症
クッシング症候群
これらは、めずらしい病気ではなく
動物病院でよく見る病気のひとつです。
今日は前者の病気についてお話しようかと思います。
甲状腺機能低下症とは
首のところにある
甲状腺という臓器からでる
ホルモンが少なくなる病気です。
甲状腺ホルモンは
全身の代謝を活性化する働きがあります。
この甲状腺ホルモンが少なくなると
見られる症状としては、
脱毛
ラットテイル
(しっぽがはげる)
色素沈着
(皮膚の一部が黒くなる)
角化異常
(フケが多くなる)
細菌膿皮症
(皮膚の細菌感染)
外耳炎
(耳がかゆくなる)
活動性低下
(活発でなくなる)
悲劇的顔貌
(悲しそうな顔になる)
肥満
神経症状
こう見てもらうと
症状としては
皮膚症状が多いことが分かると思います。
この病気は投薬でコントロールが可能です。
飲み始めると
半永久的に投薬が必要になってくることが多いです。
投薬して治療すると
毛質も良くなり、
皮膚病の再発がなくなったり、
性格も明るく、活動的になってきます。
治療した飼い主さんからも
『歳のせいでかと思ってたら、
病気のせいでおとなしかったんですね。』や
『しずかな子だと思ってたら、
薬を飲み始めて犬らしい行動が増えました。』
など、うれしい性格の変化が見られます。
下の写真は、
うちの病院で通院している子の
ビフォア・アフターです。
注目してもらいたいのは、
体幹としっぽの毛が薄くなっていたところが
しっかりと毛が生えてきたところや、
ぽっちゃりした体形が
シュッときれいな体型になってきたところです。
↑ ビフォア
↑ アフター (1ヵ月半後)
ただ、この病気の診断をつける上で
気を付けないといけないのは、
単純な甲状腺機能低下症と
何かしら他の病気があって、
二次的に甲状腺機能低下症が起こっている場合があることです。
二次的な場合では、投薬しても
全然改善しないので、
診断する時は
全身の検査が必要になってくる場合があります。
この病気やほかに何か気になる点、
疑問がありましたら
お気軽に獣医師、スタッフにご相談ください。