ペットの病気・気になる症状

【 ひふ 】 ~ 耳ダレが出てきました ~ 中耳炎

こんにちは。獣医師の足立です。

みなさま、クリスマスはなにかおいしいもの食べましたか?

我が家では初めてサンタが来ました。

と言っても、子供はまだ1歳弱で

何が何だか分かっていませんでしたが、

私たち夫婦は

初めての親の勤めをやってるということに

キャピキャピしていました。

 

 

 

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【 耳だけみる動物病院がある 】

近頃、耳科だけの動物病院が増えてきているのをご存知ですか?

少し前、獣医領域では

耳科は皮膚科の範疇でした。

しかし、最近では耳の診察や治療技術の発達、

耳を患う動物がかなり多いということがあり

皮膚科とは別に、耳科ができてきました。

人間だと、皮膚科と耳鼻咽喉科は別なので当然と言えば当然ですね。

 

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【 耳の診療はなぜむずかしい? 】

一般の動物病院で

耳の診察で一番厄介なのことは

『見えないものを診察する』

ということ。

 

人間と違い、動物の耳はL字型をしているので

耳の奥が見えにくくなっています。

 

耳の奥はどうなっているのか

耳の病気の根本原因が何なのか、

症状はなくなったけど、完全に治っているのか

ということがはっきりとは分からずに、

治療していかなくてはいけません。

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一般動物病院と違い、

耳科での最大の特徴が

耳の内視鏡、オトスコープを使って

『見ながら』治療することができるということです。

 

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前置きが長くなりましたが、

今日は犬の中耳炎についてお話したいと思います。

 

 

【 どんな症状が出るの? 】

外耳炎の症状と同様

耳をかゆがる

耳を痛がる

耳がにおう

耳ダレが出る

無症状

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【 原因はなに? 】

一般的には細菌感染です。

 

多くは外耳炎からなることが多い病気です。

外耳炎になってる子の

半分以上が中耳炎にもなっていると言われています。

 

その他には、滲出性、真珠腫性中耳炎

炎症性ポリープなどがあります。

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【 どうやって診断するの? 】

はっきりと調べるには

オトスコープ、CT、MRI

で確定していきます。

一般の動物病院では、症状で仮診断します。

 

 

 

【 どうやって治療するの? 】

 

1 洗浄

物理的に中耳にいる細菌や膿を除去します。

最初は1週間に1回程度していきます。

洗浄液は鼓膜が破れていても使用できるものを用います。

 

耳科にあるオトスコープでは、

目視によりピンポイントで汚れをきれいにすることができます。

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2 抗菌薬の投与

薬剤感受性試験により

感染細菌に合う抗菌薬を

外用、内服していきます。

4週間以上投与します。

 

 

3 抗炎症薬の投与

中耳粘膜の浮腫や分泌物の軽減の目的で使用します。

 

 

 

【 中耳炎は治るの? 】

細菌のコントロールがうまくできると治る可能性があります。

症状がなくなったとしても

くり返す可能性が高い病気なので

細々と治療を続ける必要があります。

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なかなか改善がない場合には、

根本原因が何なのか

CT、MRIなどの画像検査や

耳科へのご紹介が必要になります。

中には、外科手術が必要になることもあります。

 

 

何か気になることがありましたら

お気軽にスタッフまでご相談ください。