こんにちは!
獣医師の足立です。
だんだん暖かくなって、桜が咲きはじめましたね。
普段車生活の私ですが、ひさしぶりに自転車で桜を見に行く予定です!
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『食糞はどうしたら治りますか?』
動物病院でよく相談されるもののひとつです。
原因としては、大きく分けて
医学的問題(病気)と
行動学的問題があります。
今回は、行動学的問題のものをメインでお話します。
食糞の行動学的な原因としては
● 関心を求める行動
● 遊び関連、好奇心による行動
● 便に対する嗜好性
● 母性行動
● 不安、ストレスに関連する行動
などがあります。
では、どうしたら良いか。
対処法としてはいくつかあります。
1 食糞をしない状況をつくる
排泄をしたら、すぐに片づける。
散歩中に落ちている便をたべてしまうのであれば、
そこに近づかないようにするなど。
2 適切なトイレのしつけをする
トイレと寝る場所は、完全に別の場所にする。
排便をしたら、便から意識をそらすように
少し離れたところから呼んで、ご褒美をあげる。
3 食糞以外の行動を強化する
オスワリやマテを教える。
排便後、すぐ便に意識がいってしまう子は
オスワリやマテをさせることにより
便から意識をそらしたり、
あせらず便を片付けることができます。
4 食糞前後の対応
すでに便で遊びはじめていたり、
口の中に入れていても
大騒ぎしたり、無理やり便を取ろうとしないでください。
完全に無視してください。
声をかけたり、近寄っていくと
飼い主の関心を引くために、
食糞がひどくなる可能性があります。
5 食事量を増やす
肥満にならない範囲で、食事量を増やしたり
1日の中で、小分けに食事を与えて
食欲を満たしてあげる。
6 遊ぶ時間を増やす
遊びや散歩の時間を増やして、
ストレスを減らしてあげる。
7 フードの変更、サプリメントを使用
消化に良いフードに変更するなど。
わんちゃんは12週齢までに
どこで排泄するか、排泄前後の行動が決まってくると言われています。
1番はこの時期までに
トイレトレーニングをしっかり行い、
食糞の癖をつけさせないことが大事です。
もし癖がついてしまうと、
なかなか止めさせることが難しくなります。
そして、癖がついた状態で放っておくと
食糞行動がますます進んでしまう可能性があります。
便と取ろうとすると、うなってきたり
排便中に、直接肛門をなめて便を食べてしまうこともあります…。
やめさせるには
飼い主さんが根気よく、時間をかけることが必要です。
トイレトレーニングや、気になる点、疑問がありましたら
お気軽に獣医師、スタッフにご相談下さい。