こんにちは!
獣医師の足立です。
だんだん暑くなってきました!
そんな暑い日でもないのに、
子供が汗びっしょりになるので
我が家では早々とエアコンが稼働し始めました。
暑いとダレてしまいますが
これからの夏のイベントが楽しみです。
————————————————–
今日は皮膚の腫瘍のひとつ、
皮膚黒色腫についてお話します。
【 どんな病気?】
皮膚や瞳、毛の色をきめる
メラミン色素の元である
メラノサイトが腫瘍化したものです。
皮膚黒色腫の中でも
良性と悪性のものがあります。
悪性: メラノーマまたは悪性黒色腫
良性: メラノサイト―マ
とそれぞれ呼ばれています。
犬の皮膚黒色腫の中では
12%以上が悪性と言われています。
主に老齢で悪性のことが多いです。
黒色腫は体の様々な部位にできます。
犬では
口の中、唇、皮膚、眼の順で多いです。
猫では
黒色腫自体が少ないですが
皮膚にもでき、ほとんどが眼です。
【 腫瘍の見た目は? 】
主には黒色ですが、
茶色、赤色、白色のものもあります。
形はいわゆる“イボ”のものもあれば
斑点状のものもあります。
見た目で良性か悪性かは判断できません。
できる場所によって悪性のものの可能性が高くなります。
口の中、唇
皮膚でも爪の根本、肉球
にできるものは悪性の場合が多いので
早めに診断、治療を行った方が良いです。
【 診断は? 】
切除し、病理検査を行います。
【 治療は? 】
外科切除が第1選択です。
他は、放射線治療が適応です。
化学療法単体ではあまり効き目がないですが、
他の治療と組み合わせて使っていきます。
【 予後は? 】
良性の場合
外科的に完全切除することで良好です。
悪性の場合
メラノーマは他の臓器、皮膚に転移しやすいものです。
外科切除後でも慎重に経過観察が必要です。