ペットの病気・気になる症状

【 ひふ 】 犬はげ ~ 季節性脱毛症 ~

 

こんにちは!獣医師の足立です。

 

先日、仕事が終わって帰るときに

ふと遠くを見つめる人たちがいたので

私も同じ方向をみると

打ち上げ花火があがっていました!

 

不意にみる打ち上げ花火って

なんか得した気分になって、うれしくなりますね♪

 

 

 

 

 

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今日はハゲシリーズ第4弾

今回も不思議な脱毛の病気

季節性脱毛症です。

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【 どんな病気? 】

 

名前の通り、季節によってハゲる病気です。

冬に体の一部がハゲてきます。

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【 原因はなに? 】

 

決まった犬種で発症するので、

遺伝的な要因が疑われています。

日照時間や気温の変化などにもよると言われています。

 

 

 

【 起こりやすい犬種は? 】

 

シュナウザー

ボクサー

イングリッシュ・ブルドッグ

エアデール・テリア

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【 どんな症状が出るの? 】

 

一般的に秋から冬に脱毛し、

春から夏に育毛してきます。

 

脱毛は背中から腰にかけて起こります。

脱毛部は境界明瞭で、色素沈着が見られます。

育毛時、毛の色の濃さが変わったり

黄金色の毛が生えてくることもあります。

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(https://magazine.vdt.co.jp/954/

どうぶつの皮膚科耳科アレルギー科HPより)

 

 

一度しか症状が出ない子もいます。

かゆみはありません。

 

いろいろな年齢で発症すると言われていますが、

3-6歳で特に多いとされています。

 

 

 

【 どうやって診断するの? 】

 

犬種、脱毛場所、経過から診断していきます。

 

 

 

【 どうやって治療するの? 】

 

治療法はありません。

脱毛する1-2か月前から、

メラトニンを投与すると再発を予防できると言われています。

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おうちのわんちゃん、ねこちゃんで

気になる点、疑問がありましたら

獣医師またはスタッフまで相談ください。

 

 

 

【 ひふ 】 犬はげ ~ パターン脱毛症 ~

 

こんにちは!

獣医師の足立です。

 

ベランダ菜園にチャレンジしてるんですが

プチトマトがついに実り

先日実食してみました。

 

自分で育てた具合もあるのか

いつも食べているスーパーのものより

甘く感じてとてもおいしかったです!

こんな簡単に野菜って育てられるんですね。

子供がもう少し大きくなったら

一緒に収穫して食べるのが楽しみです。

 

 

 

 

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前は、脱毛症X、

黒色被毛毛包形成異常症

淡色被毛脱毛症

についてお話させてもらいました。

 

今回は、またハゲシリーズで

パターン脱毛症という病気について

お話させていただきます。

 

 

 

 

【 どんな病気? 】

 

毛の構造に異常が出る病気です。

体の特定部位の毛が薄くなってきます

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【 原因はなに? 】

 

遺伝的な要因が疑われています。

毛の根っこの毛球が小さくなり、

毛が細くなっていく病気です。

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【 起こりやすい犬種は? 】

 

ダックスフンド

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ミニチュア・ピンシャー

イタリアン・グレーハウンド

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ボストン・テリア

など

 

 

 

【 どんな症状が出るの? 】

 

若齢、6ヶ月齢ごろに発症します。

耳の外側、首の下側、

胸からお腹、ももの後ろ

に左右対称で

進行性の脱毛が起こってきます。

痒みはありません。

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【 どうやって診断するの? 】

 

犬種、発症年齢、症状から推測し、

同じような症状の病気を除外して診断します。

確定診断は病理検査によります。

 

 

 

【 どうやって治療するの? 】

 

基本的にはありません。

メラトニンなどのホルモン剤や

サプリメントで改善する場合があります。

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何か気になる点、疑問がありましたら

獣医師、スタッフに相談ください。

 

猫の通院ストレスを軽減するために

 

 

みなさんこんにちは!

最近誕生日を迎え、27歳になった獣医師の中垣です!

 

若い奴が何を偉そうにと言われるかもしれませんが

歳を取るのは本当にあっという間ですね。

 

今年もそのあっという間の日々を

毎日全力で、1日1日を大事に生きていきたいと思います。

 

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また、関係ないですが、

私の好きな稲盛和夫さんの言葉を載せておきます。

 

人生や仕事の結果というものは、

「考え方」と「熱意」と「能力」の掛け算で決まるんだよってことです。

 

全ては掛け算なので、いくら熱意や能力があっても

考え方、つまり動機や想いが不純であったり的外れだったら

その結果は大きくマイナスに傾いてしまうという意味がこめられているそうです。

 

簡単に言えば、

「この商品を売って金儲けするぞ」っていう人より

「この商品を多くの人に届けて幸せになってもらおう」と考えている人の方が

大きなことを成し遂げる気がしますよね。

 

私も「考え方」を大事にすることをすごく意識しています。

 

 

ところでみなさんは、

猫ちゃんのストレスが爆発したところを見たことはありますか?

 

私は獣医師という職業をしていますので

猫ちゃんが我慢の限界に到達した姿を何度か目にしたことがあります。

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まさかうちの子がと思うかもしれませんが、

猫ちゃんはストレスに非常に弱い生き物です。

 

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家に知らない人が来たり、

引越しをしたり、

近隣で工事をしていたりするだけで

かなりのストレスがかかってしまいます。

 

それが原因で病気になってしまうことがあるくらいです。

 

そんな猫ちゃんが、

普段家の中で生活しているにも関わらず

外に出て、また病院に行くとなれば

どれほどのストレスがかかるか想像しやすいと思います。

 

それが嫌で病院に連れて行くことを

諦めている飼い主さんも多いのではないでしょうか?

 

ただ猫ちゃんの健康を維持する上で

病院での定期検診や治療を受けることは非常に重要であり

通院するという行為はなかなか避けては通れません。

 

久々にワクチンなどの予防接種で来院した際に

たまたま病気が見つかると言ったことも多々あります。

 

なので今回は、

少しでも猫ちゃんの通院ストレスを軽減できるように

みなさまにストレス軽減の工夫をご紹介したいと思います。

 

まず、前提として猫ちゃんの診察は「スピードが命」と考えています。

これは雑に早く終わらせると言った意味ではなく

スムーズに診察をし、スムーズに検査して治療していく、

そして一番安心できるお家にできるだけ早く返してあげたいという意味です。

 

時間をかければかけるだけ

猫ちゃんはどんどんストレスが溜まっていきます。

それが爆発してしまうと、すごく攻撃的になったりすることがあり

余計に診察がスムーズに進まなくなり、

さらに猫ちゃんに負担をかけることにつながってしまいます。

 

ではどこで一番時間がかかってしまいがちなのでしょうか?

 

それは診察室内で猫ちゃんをケージから出すときです。

 

ほとんどの猫ちゃんの場合

キャリーケースから診察台に出す時に非常に手こずります。

 

それを難しくしている点は主に以下の2つです。

診察室に入ってきた時点でボルテージMAX

キャリーケースの形状が猫ちゃんをスムーズに出すことに向いていない

 

これを解決することができれば

少しでも猫ちゃんの負担を減らすことができると考えています。

 

①診察室に入ってきた時点でボルテージMAX

 

つまりもうすでに

ストレスが爆発してしまっていることがあるということです。

 

病院に行くために、ケージに入れたいけどその時点で

猫ちゃんと大格闘しているという方は多いんじゃないでしょうか。

 

それに加え車での移動、

また病院内では知らない人や、

ワンちゃんの声も聞こえてきます。

 

病院に来るまで、そしてついたあとも

様々なストレスにさらされています。

 

言い換えれば、ストレス軽減のための工夫はお家の中から始められます。

 

まずは普段から、

移動するためのキャリーケースに慣れさせて上げることが重要です。

キャリーケースの中=安心できる場所にしてあげてください。

 

具体的には、

何もない時でもキャリーの扉を開けておいていつでも入れるようにしておく

おもちゃなどで誘導し入った時にはおやつをあげる

などです。

 

また移動中は、普段から使用している

おもちゃや匂いのついたクッションやタオルなど入れてあげて

リラックスできる空間を作ってあげることも大切です。

 

そして病院内では、

キャリーの上からタオルやブランケットをかけて

外が見えないようにしてあげてください。

 

また当院では、診察までに車の中でお待ちいただけるように

呼び出しベルをお渡ししています。

 

診察の時間が来るまでは

車で待っていただくことも一つの方法です。

 

②キャリーの形状が猫ちゃんをスムーズに出すことに向いていない

 

猫ちゃんをキャリーから出そうとしては、

必死に抵抗してまた中に戻ってしまい

あと少しかと思いきや、爪が引っかかってまた中に戻ってしまう。

 

こんな状況を何度も見かけます。

 

これでは猫ちゃんのボルテージも上がる一方です。

 

できるだけスムーズに出てきてもらうには

キャリーケースの形状にポイントがあります。

 

それは、

扉が二つ以上あること

上下に分かれて取り外しが可能

です。

 

扉が一つしかないと

その狭い出口から腕を入れて

必死に抵抗する猫ちゃんを出さないといけませんが

これがとても難しいです。

 

ただ扉が上にもついていたり

キャリーケース自体が取り外し可能であれば

非常にスムーズに猫ちゃんを外に出すことが可能となります。

 

実際にはこんな感じのキャリーケースです。

キャリー

 

実際に日頃猫ちゃんを診察していても

このように取り外し可能なキャリーケースであれば

とてもスムーズに猫ちゃんを出すことができると感じています。

 

私も一飼い主として、

猫ちゃんの通院の大変さは理解しているつもりです。

 

少しでもストレスを軽減してあげるために

今回ご紹介した工夫を実践していただけると幸いです。

 

最後に私の愛猫の写真をあげて終わりにしたいと思います。

誕生日にもらったお花と一緒に写るしずく君です。

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。かわいすぎて言葉が出ません

糖尿病ってよく聞くけど、、、

 

 

みなさんこんにちは!

獣医師の中垣です!

 

最近診察をしていて、

太っている猫ちゃんを見かけることがとても多いように感じます。

 

太った猫ちゃんが診察台に乗っている姿は

とても愛くるしく、とてつもなく癒されます。

そのまま家に連れて帰りたいくらいです。

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ただ、私は獣医師です。

そんな気持ちを押さえて、飼い主様に伝えなければならないことがあります。

 

「〇〇ちゃん、かなり太っているのでダイエットしてください」

 

実はこのセリフ、ものすごく言いにくいです。

 

こんなことをいうと失礼に値するんじゃないか、

気を悪くされるんじゃないかと思うからです。

(実際はもっとオブラートにお伝えしています(笑))

 

ただ私たちは、

「肥満」が様々な病気にかかるリスクを上げるということを知っています。

 

心を鬼にして伝える必要があるのです。

 

今回はその肥満がリスクを上げると言われる病気の一つである

「糖尿病」についてについてご紹介したいと思います。

 

【糖尿病ってどんな病気?】

 

まず糖尿病とは

ずっと血糖値が高い状態が続き、おしっこから糖が出てきてしまう病気」です。

 

本来、私たちの体には血糖値を上げたり、

下げたりと調節する機構が備わっています。

 

このとき血糖値を下げる働きをするのが、

膵臓から分泌されるインスリンです。

 

糖尿病は、

このインスリンの分泌機能が失われてしまったり

分泌はしてるけどうまく効かないといった状況になることで発症してしまいます。

 

血糖値をうまく下げることができないので、

ずっと高血糖になってしまうということですね。

 

ただこの説明だけでは、糖尿病がどういう状態か理解しづらいと思います。

 

大事なのはずばり、

インスリンがどのようにして血糖値を下げているのか

ということに着目することです。

 

次の図を見てください。

 

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私たちは、生命活動を維持するために

食事からエネルギーを体に取り入れてますよね。

 

その大事なエネルギーの一つである糖は、

腸から吸収されることにより血液中を流れるようになります。

 

血液中を流れることで、

体の中の組織である筋肉や脂肪、

それらに大事なエネルギー源である糖を届けることができます。

 

ただ、あるものが作用しないと目の前まで届けたのはいいものの

筋肉や脂肪などの一つ一つの細胞の中に入ることができません。

 

そのあるものというのがインスリンです。

 

「インスリン」は、

各細胞の中に血液中に存在する糖を取り込ませる働きがあるのです。

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せっせせっせと血液中の糖を、

細胞に取り込ませることによってエネルギーを供給してあげているということです。

 

そうすることで、

結果的に血液中に存在する糖が減っていき血糖値が下がるというわけです。

 

つまり糖尿病の病態は、「血糖値を下げることができない」というよりかは

インスリンが働かないために糖を利用することができない」という状態なのです。

 

どれだけ食事をとっても、

そこから得られた糖を全然利用できないってことですね。

 

そのために、糖尿病を発症すると最終的にどんどん痩せていってしまいます。

 

そのほかにも様々な悪影響がありますが

長くなりそうなので今回は割愛させていただきます。

 

【どんな症状があるの?】

 

糖尿病になると

以下にあげたような症状が見られることがあります。

 

水を飲む量、回数が多くなる

尿の量が多くなる

たくさんご飯を食べるようになる

どんどん痩せてくる

かかと歩きをする

全身の脱力感がある

 

ちなみに「かかと歩き」とはこんな感じです。

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糖尿病は発症してしまうと、

治療や管理が非常に大変であり

飼い主様の負担もかなり大きくなってしまう病気です。

 

もちろん糖尿病になる原因は肥満だけではありませんが

原因の一つになっている以上、

体重管理には気を付ける必要があります。

 

先に述べた症状に気がついたり

最近太ってきたなあと少しでもお悩みの方は

是非一度ご相談ください。

 

【 ひふ 】 犬はげ ~ カラーダイリューション ~

こんにちは!獣医師の足立です。

梅雨なのに全然雨が降らないですねー。

梅雨のあのしっとり感を感じるのも好きなんですが、、、

このままだと水不足で

野菜の値段が上がっていくのがこわい今日この頃です。

 

 

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今回はわんちゃんの脱毛の病気part2になります。

今日は、ちょっと不思議なはげ方をする

黒色被毛毛包形成異常症

淡色被毛脱毛症

についてお話します。

 

 

 

【 どんな病気? 】

 

黒色被毛毛包形成異常症は、

体の被毛が2色以上あるわんちゃんで

黒色被毛のところだけ禿げてくる病気です。

 

淡色被毛脱毛症は、

カラーダイリューション脱毛症とも呼ばれています。

淡い色(ブルー、フォーン)の被毛部分だけ禿げてくる病気です。

 

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【 原因はなに? 】

 

遺伝性の病気です。

 

この病気になると

被毛内のメラミン色素の

分布が不均一になり

毛が気弱化し

ポキポキ折れてしまい

脱毛が起きます。

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↑ メラミン色素が正常の被毛

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↑ 黒色被毛毛包異常症の子の毛

 

 

 

【 起こりやすい犬種は? 】

 

(黒色被毛毛包形成異常症)

ダックスフンド

ビーグル

ジャック・ラッセル・テリア

ボーダーコリー

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

パピヨン

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(淡色被毛脱毛症)

ドーベルマン・ピンシャー

イタリアン・グレーハウンド

ミニチュア・ピンシャー

ダックスフンド

チワワ

ヨークシャーテリア

ボストン・テリア

シェットランド・シープドッグ

スタンダード・プードル

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【 どんな症状がでるの? 

 

どちらも幼若齢で発症します。

 

 

黒色被毛毛包異形成症は

早ければ生後4週間から、

4か月齢までに発症します。

 

淡色被毛脱毛症は

6ヶ月齢から3歳までに発症します。

 

 

最初は頭、足先、かかと、ひじなど

外的刺激が起きやすい場所から脱毛が始まります。

そして症状は進行していきます

 

 

 

 

【 どうやって診断するの? 】

 

簡易検査では、被毛を顕微鏡で確認し

被毛内の巨大メラミン色素顆粒を確認します。

確定診断は、皮膚病理検査になります。

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【 どうやって治療するの? 】

 

遺伝性の病気のため、

現在のところ有効な治療法はありません

 

毛が簡単に折れてしまう病気なので、

あまり毛に刺激が起きないよう

ケアするようにしましょう。

たとえば、過度なシャンプーやグルーミングなどは

避けた方が良いです。

 

毛がない分皮膚が刺激に弱くなるため

細菌感染を起こしやすく

紫外線に暴露されやすくなります。

定期的なスキンケアを行っていきましょう。

 

 

 

質問、疑問があれば獣医師までお問い合わせください!