ペットの病気・気になる症状

【院長コラム】人を突き動かすのは「劣等感」

私は、大学卒業後すぐの時点では、

夢にまでみた獣医師になれたことで希望に満ちあふれていました。

 

それから、大きな病院で2年間勤務医として働きましたが、

そこで自分が得たものは、

「何者にもなれない」という劣等感でした。

 

 

 

以後は、自分のような

「この社会で何者かになろうと もがく人」

を応援したいという強い気持ちが芽生え、

令和元年8月に、

でこぼこな人が でこぼこなままで生きられる 小さな社会をつくりたい

を理念とする

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という会社をつくることに至りました。

 

 

 

ラグビーやアメフト、寮のリーダー、バイトリーダーとして

後輩指導に取り組んできた今までの経験は、

自分の行動特性を高めるのに重要な役割を果たしました。

 

 

 

私が、経営者として、

会社の様々な逆境に立ち向かい続けることができるのは、

日々のモチベーションなどという上っ面な言葉では表せない、

根底にあるグツグツとした「劣等感」に起因するに他なりません。

 

適切な劣等感は、その人間に強い「使命感」を与えるのです。

 

 

【院長コラム】当院のバリュー

獣医師の足立が5月より産休に入りました。

そのため、月イチのコラムを臨時で

私、院長の中が代理させていただきます。

 

 

実は2013年のイデア動物病院ができる前より、

理念を浸透すべく院長コラムをやっておりまして、

インスタと同様に、勤務医にバトンタッチして長いこと書いてなかったのですが↓

【院長】開業一ヶ月目です | イデア動物病院 | 大阪府枚方市津田南町の動物病院 (idea-ah.com)

久しぶりに、期間限定で筆をとりたいと思います。

 

「せっかく代わるなら、僕らしい内容を。」と考えたときに、

医療というよりは、経営のほうで書かせてもらおうかなと思いました。

 

前から見てくれていた方も、はじめましての方も、

しばらくの間お付き合いください。

 

開業10年もすると本当に色々あるもので、

当院にも、時代の変化に基づいて、組織のバリューというものが必要となり、

7つの行動指針が言語化されました。

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 「承認・寛容」「チームワーク」「向上心」「誠実」「自分ゴト」「プロ意識」「教育」

 

組織というものは、さまざまな人が所属するため、

放置してしまうと、色々な人が色々な考えで動き、バラバラになってしまいます。

 

「経営」という学問については、

他業種より2まわりも3まわりも遅れているのが動物医療の業界。

 

当院も一定以上の人数になったときにバリューの重要性を学び、

2年前に制定するに至った、というわけです。

 

今現在も、その制定したバリューの浸透、定着、応用に向けて

コツコツ努力中でございます。

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利用される飼い主さまがたに、

「イデア動物病院のサービスはひと味違うぞ」

と思っていただくために、日々思考し、変化することをやめない。

そんな組織でありたいと考えております。

 

 

【 ひふ 】それって本当にストレス性?

こんにちは!

獣医師の足立です。

おでかけやBBQをするにはいい季節になりましたね♪

さっそく先日おうちBBQしました!

炭火で焼いたお肉を外でいただくのはサイコーですね!

 

 

 

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今日は猫の心因性脱毛症について

お話しようと思います。

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まず、お家の猫ちゃん

お腹の毛が薄くなっているのを獣医さんに見せると

『ストレスかもしれませんね。』

と言われたことはありませんか?

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これは心因性脱毛症ということを意図しているんですが、

この病気は、猫の皮膚炎の中でも約5%程の少ないもので

診断がとっても難しいものになります。

 

なので、何がストレスか分からないし

ストレスの排除なんてできない!

と諦めずに、丁寧に診断治療していくと

症状の改善や治癒が見込める可能性があります!

 

 

 

【 どんな病気? 】

ストレスが原因で

慢性的かつ執拗な

グルーミング、尾かじり、突発的に体をかじる、毛をむしる

など、いわゆる自傷行為により起こる

脱毛症や皮膚炎を生じる病気です。

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【 診断は? 】

基本的に除外診断になります。

 

 

1. 感染症の除外

細菌、真菌、寄生虫症などを

予防歴を確認したり、検査、試験的治療により除外していきます。

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2. アレルギーの除外

猫アトピー症候群、

除去食試験にて食物アレルギーの除外をしていきます。

 

3. 身体的異常の除外

症状が出ている皮膚の奥の

体の痛みや違和感が原因による可能性を除外します。

よくあるものは、関節炎や尿結石による膀胱炎などがあります。

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4. 明らかなストレス要因があるか

生活環境の変化

同居動物の変化

などを確認していきます。

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【 治療は? 】

 

1. ストレスの排除、軽減

運動不足の解消

家族や同居動物との接触の改善

(ふれあい時間を増やす、ストレスになるものから遠ざける)

知的好奇心を満たしてあげる

トイレ環境の改善

ひとりになれるスペースを確保してあげる

 

2. 患部の保護

エリザベスカラーや服の着用

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3. 薬物療法

抗うつ剤

不安軽減サプリメントなど

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【 予後は? 】

ストレスを上手く軽減できれば、良好です。

【 ひふ 】 塗り薬したけど治らない。。。

こんにちは!

獣医師の足立です。

 

あったかい日が続いてきましたね。

春は動物病院は繁忙期になります。

環境の変化や気温差で体調を崩さないよう

お互い気を付けていきましょう!

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わんちゃんやねこちゃんが皮膚炎になり、

動物病院で塗り薬をもらって、

ちゃんとつけてるのに

 

皮膚炎が治らない、、、

毛が生えない、、、

よりひどくなる、、、

という経験はありませんか?

 

それ、もしかしたら

外用ステロイド皮膚症

かもしれません!

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●どんな病気?

ステロイドを含む外用薬を

過剰投与することにより生じます。

つまり、治す目的で使用している薬により

病気になってしまう病気です。

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●どんな症状?

外用薬を使用している部位に起きます。

 

脱毛

皮膚が薄くなる

乾燥

フケ

皮膚炎

基本的にかゆみはなし

 

などの症状が出ます。

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●診断は?

過去にステロイドを含む外用薬を使用していたか

確認し、診断していきます。

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●治療法は?

使用している外用薬の使用を中止します。

時間はかかりますが

基本的には無処置で改善が見込めます。

 

改善を早める目的で

保湿剤

皮膚組織の修復を助ける外用薬

併用することもあります。

 

 

 

●まとめ

ステロイドの外用薬は

適応の症状を見極め、

用法容量を守れば

てきめんに症状が改善しうるお薬です。

 

『獣医さんにもらった薬を

ずっと続けている。』

『家にあった薬を使っている。』

などの理由で、発症していることが多いです。

 

なかなか皮膚炎が治らない。

いつまでお薬を続けたらいいの?

 

など、定期的に獣医さんに相談することが

治療を成功させるコツになります!

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【ひふ】 しっぽが黒ずんでませんか?

こんにちは!

獣医師の足立です。

もうすぐ開業10周年のジャンボリーです!

当日の配置設定やお店とのやりとりやなんやで

実行委員さんは毎日忙しそうです!

みなさん楽しみにしていてくださいねー!

 

 

 

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おうちの猫ちゃん、体の毛並みはいいのに

しっぽの毛だけベタベタしたり、

しっとりしていることありませんか?

それはもしかしたら

スタッドテイルと呼ばれる病気かもしれません!

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●どんな病気?

尾腺過形成とも呼ばれる病気で、

しっぽの付け根部分にある尾腺と呼ばれる部分から

皮脂分泌が過剰になり

ベタベタしてしまう病気です。

 

未去勢のオス猫に多く見られます。

 

進行すると皮膚がボコボコになることもあり、

〈stud=鋲の頭〉のような〈tail=しっぽ〉

と呼ばれています。

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●原因は?

尾腺(皮脂腺)からの

皮脂分泌の過剰により起こりますが、

なぜ過剰になるのかはっきり原因は分かっていません

 

未去勢のオス猫に多く発生しますが、

去勢済みのオスやメスでも発生することがあります。

 

狭いケージ内で飼育されている猫や、

毛づくろいをあまりしない猫では悪化しやすいとされています。

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●どんな症状?

しっぽのみに症状が現れます。

特にしっぽの付け根の

尾根部と呼ばれる部分に症状が現れやすいです。

 

毛がベトベトになったり

固まってしまったり

独特のにおいがしたりもします。

 

皮膚部分は

ワックスのような皮脂が付着していたり

黒ずんだ

脱毛したりします。

 

進行すると

炎症細菌感染を起こし

かゆみや痛みが出てくるようになり

自分で舐め壊してしまうことがあります。

 

 

 

●診断方法は?

特徴的な症状により診断したり

皮膚生検を行い判断していきます。

 

似たような症状の病気で

ニキビダニ症、皮膚糸状菌症

表在性膿皮症、腫瘍

なども除外していかなくてはいけません。

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●治療法は?

根本的な治療法はありません。

皮膚を衛生的に保ち、

皮脂のコントロールを行うことが大切です。

 

1. 患部の毛刈り

被毛についた分泌物を取り除くためと

シャンプーや外用薬などの浸透をよくするために行います。

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2. シャンプー

余分な皮脂をとるために行い、

皮膚を清潔に保つために行います。

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3.生活環境の見直し

1日の大半をケージ内で過ごす猫は、

毛づくろいの時間が短くなり

発症すると言われています。

そのためできるだけケージ外で自由にできる時間を増やし

毛づくろいの機会を増やしてあげましょう。

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4.去勢手術

病状の進行を阻止できる可能性があります。

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●まとめ

スタッドテイルは命に関わる病気ではありませんが、

患部のべたつきや臭いによる不快感は

飼い主さんだけでなく

猫ちゃん自身にもストレスになってしまう可能性があります。

お家の猫ちゃんにもし皮膚の違和感があれば

早めに相談してください。