ペットの病気・気になる症状

食べてはいけない食べ物

こんにちは、獣医師の足立です。

 

冬至も過ぎ一か月、

だんだん日が出てる時間が長くなってきましたね!

とは言いつつ、まだまだ日照時間は短く寒い日が続いています。

その分、星や夜景がきれいにみえる季節ですね♪

私は病院から少し離れたところの

丘になっている所から、夜景を見るのが最近大好きです!

 

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今回は、ワンちゃん、ネコちゃんが食べてはいけない食べ物

中毒を起こす食べ物についてお話します。

 

 

チョコレート、カカオ類

テオブロミンという物質が、心臓血管、中枢神経に作用します。

嘔吐、下痢、興奮、けいれん発作、昏睡などを起こします。

カフェインにも同じような作用があるので、注意が必要です。

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ネギ類

n-プロピルジスルフィドという物質が、

赤血球に対して毒性があります。

症状はヘモグロビン尿(赤色尿)、貧血、黄疸などを引き起こします。

加熱したものでも毒性が消えないので、注意が必要です。

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キシリトール

急激な低血糖により、運動失調や発作を起こします。

なかには血が止まりにくくなったり、肝不全を起こす子もいます。

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ブドウ、レーズン

特に犬で起こります。

急性腎不全を発症します。

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ユリ

特に猫で重篤な症状がみられます。

急性腎不全になり、死亡する可能性が高いものです。

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貝類、甲殻類、淡水魚

特に猫で中毒を起こしやすいです。

チアミナーゼという酵素が

ビタミンBを分解し、中毒症状を起こします。

運動失調障害、けいれん発作などの症状がみられます。

加熱してあるものであれば大丈夫です。

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アボカド

特に犬で起こります。

ペルシンという物質が中毒を引き起こします。

アボカドの種類によって含有量は異なります。

嘔吐、下痢などの症状がみられます。

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牛乳

大人の犬猫は

乳糖を分解する、ラクターゼという酵素を持っていません。

牛乳を与え過ぎると消化吸収できずに、下痢を起こします。

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猫にドッグフード

猫には、体内でつくれない栄養素

タウリン、アラキドン酸、ビタミンAがあります。

これらはフードから摂取しなければいけません。

ドッグフードを食べ続けると、

これらの必要な栄養が足りなくなってしまします。

 

 

 

以上のように、人間が普段食べているものでも

ワンちゃん、ネコちゃんにとっては中毒を起こす食べ物がいくつかあります。

 

動物は好奇心旺盛です。

人間が与えなくても、

知らず知らずの内に

間違ってワンちゃんネコちゃんが食べないように気をつけましょう。

 

そして、万が一食べてしまったら、

できるだけ早く動物病院に行くか、電話で相談して下さい。

 

 

何か気になる点、疑問などがあれば

お気軽に獣医師、スタッフにご相談下さい。

にゃんこの理想のトイレ

こんにちは!

獣医師の足立です。

年末年始、雪が降るかもしれないそうですね!

私はそれを聞いて、今からワクワクしています!

ただ、お出かけの方は十分お気をつけください。

 

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みなさんは

猫はどんなトイレを好むか、

考えたことありますか?

 

 

猫は思っている以上に、神経質な動物です。

トイレが気に入らないと、排泄を我慢したり、

ストレスを感じ、おしっこの病気なってしまうことがあります。

中には、緊急的に処置をしないと、

命にかかわるおしっこの病気もあります。

 

 

トイレを工夫することにより

これらの病気や、再発を防ぐことができます。

 

今回は、一般的に猫が好むトイレについて

いくつかポイントをお話します。

 

 

 

①  こまめな掃除

排泄があれば、すぐに取ってあげましょう。

1ヶ月に1回は猫砂の全交換、トイレボックスの洗浄もしてあげましょう。

 

 

②  トイレの数

基本的には猫の数プラス1個です。

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③  トイレの場所

食事場所、休息場所から2m離れている場所

静かな場所、アクセスしやすい場所

壁沿いや部屋の隅

に設置してあげましょう。

 

 

④  トイレの大きさ

体長より大きなものを選びましょう。

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⑤  猫砂

一般的には粒子が細かく、臭いがなく、

固まりやすいものが好まれます。

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⑥  トイレのトラウマ

過去におしっこの病気などにより、

トイレに嫌な思い出

(膀胱炎になり、排泄痛があった場合など) があると、

そのトイレを避けるようになることがあります。

その場合は、トイレ本体を替えたり、

場所を変えるなどを行うと、またスムーズにトイレをしてくれる場合があります。

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お家の猫トイレはいかがでしょうか?

理想的なトイレになっていますか?

 

猫トイレのポイントは他にもあります。

おしっこの病気になる原因も、トイレの問題だけではない場合もあります。

なにか気になる点、疑問がありましたら

お気軽に獣医師、スタッフにご相談ください。

目に見えない猫の病気

こんにちは、獣医師の足立です。

最近めっきり寒くなって来ました。

夜、布団の中でぬくぬくするのが、

気持ち良い季節になって来ましたね♪

 

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みなさん、

腎臓は何をしている臓器か知っていますか?

 

ご存知かもしれませんが、

尿を作っている臓器です。

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それだけではなく

尿を作ることにより、体の老廃物毒素を排泄したり、

 

水分やミネラルなど、

体液のバランスを調節したり

 

血圧、カルシウム、造血を調節する

ホルモン等の産生もしています。

 

 

 

この腎臓の病気、高齢猫で多いのが、

慢性腎不全です。

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10歳以上の猫で、30%はこの病気になっていると言われています。

動物病院でも、よく診る病気のひとつです。

 

この病気のやっかいなところは、

早期発見が難しい、というところです。

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目に見える症状が出た時には、

かなり病気が進行していたり、

血液検査で、少しでも異常値になった時点ですでに

腎臓に残された機能が、30%以下になってしまっています。

 

 

腎臓が悪くなった部分は、もう元には戻りません。

 

なので、少しでも早く病気を発見することが重要です

早くに治療開始をしてあげると、

腎臓が悪くなるスピードを遅くし、

元気で長生きすることにもつながります。

 

 

 

早期発見には、いくつか検査があります。

1 SDMA

血液で検査できるもので、一般的な血液検査項目より早期に異常値を示します。

 

2 尿検査

尿の濃さや、尿たんぱくの量により腎臓の機能を調べるものです。

 

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8歳以上の猫であれば、

年1回でも、健康診断でこの検査を受けるか、

ワクチン接種時にでも、

検査を行うことをおすすめします。

 

 

もし何かご不明な点、気になる点があれば、

気軽に獣医師、もしくはスタッフにご相談ください。

 

 

おうちでできる皮膚病の治療

こんにちは!

獣医師の足立です。

最近はまたグッと寒くなりましたね。

私は、京都へ紅葉を見に行くのが今から楽しみになっています♪

 

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みなさんは、シャンプー療法という言葉をご存知ですか?

 

シャンプーすることにより、

皮膚病を治療する方法です。

 

その他にも、皮膚病の

お薬を減らせたり

再発を防いだり

予防するのにも、効果があります。

 

 

 

今回は、シャンプー時のポイントをお話しします。

ひとつ目は、

きめ細かい泡で洗うことです。

 

人間で泡洗顔が注目されてるのと同じです。

泡が小さければ小さいほど

汚れを落としやすく、

皮膚の刺激が少なくなります。

 

ゴシゴシこすらなくても、

泡を体全体に乗せ、

マッサージするように、なじませるだけで効果があります。

 

 

 

簡単に泡を作る方法をいくつか紹介します。

① 泡立てネットを使う

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何回かもみこむだけで、たくさんの泡が出来ます。

 

② ペットボトルを使う

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水少量と、シャンプーワンプッシュ入れ、

数回振るだけで簡単に泡ができます。

 

ご家族がやりやすい方法で

いくつか試してみてください。

 

 

 

 

ポイントふたつ目は

保湿を行うことです。

 

皮膚病の子は特にですが、

シャンプー後の皮膚は乾燥します。

 

保湿剤を使うことにより

化粧水、美容液のような働きをして、

水分を補充してくれます。

 

そうすることにより、皮膚のバリア機能を保ち

皮膚病になりにくくします。

 

 

 

シャンプー療法のポイントは他にもいくつかあります。

シャンプーのやり方、選び方など

気になることがあれば、お気軽に獣医師、スタッフに相談ください。

あなたのワンちゃんの息は大丈夫ですか?③

こんにちは!獣医師の足立です。

最近は台風が多いですね。

今回の台風は、あまり被害が出ないと良いんですが。。

 

 

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前々回は歯周病の話、

前回はデンタルケアの話をしてきました。

 

今回は、歯周病の治療についてのお話です。

 

 

歯周病の治療は、

基本的に人間の歯医者さんと同じようなことを

ワンちゃんでも行っていきます。

ただ、ワンちゃんの場合は全身麻酔をかけて処置します。

 

 

全身麻酔をかける理由としては、

  1. ワンちゃんが動かない分、スムーズに処置ができるため。
  2. 処置には多少痛みが伴うので、痛みを感じさせないため。
  3. 恐怖心を感じさせないため。

です。

 

 

 

処置の主な流れは、この3つです。

 

1 超音波によるスケーリング

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歯の表面に付着した、歯垢、歯石を除去します。

 

 

2 ルートプレーニング

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歯肉ポケット内の歯垢、歯石を除去します。

 

 

3 ポリッシング

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歯の表面を研磨することにより、

ザラつきをなくし

新たな歯垢、歯垢が付着しにくくします。

 

必要であれば、抜歯も同時に行います。

 

 

 

これらの処置は、歯周病の治療とともに、

歯周病の予防処置でもあります。

 

専門医の先生方は、

この予防処置を半年に一回

行うことをすすめています。

 

 

 

この処置のあとは

見た目もきれいになり、

口臭も一気になくなるので

飼い主様も、とても喜ばれる方が多いです。

 

 

みなさまのワンちゃんの歯は

今どうなっていますか?

 

 

もし何かご不明な点、気になる点があれば、

気軽に獣医師、もしくはスタッフにご相談ください。