ペットの病気・気になる症状

実は怖い【貧血】の話

新年あけましておめでとうございます。

開業以来、

えべっさんなど商売繁盛のお参りには行っていない院長です。

何か違和感があるんですよね〜。

動物病院の商売繁盛=患者様の病気を期待しているような…。

考えすぎなんでしょうが、

昔っから自分で納得できないことはしない頑固なモノなので、

もっと柔軟になりたいと考えています。

(まぁ3つ子の魂百までといいますし直らないでしょう)

そんなわけで、今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

では、2017年、第一回目のコラムです。

 

 

 

 

今現在、

初代りきまる6頭のワンちゃんを、

2代目の銀杏3頭のワンちゃんの命を助けています。

わび・さびは仕事をしていません。(試食が主な仕事です)

 

 

さて

 

 

なんの話でしょう。

 

 

彼らは、当院の供血犬

つまり、輸血の際に血液をいただくドナー犬です。

 

 

ヒトでは、『血が足らない患者様には輸血をする』

こんなシチュエーションが多々あります。

 

 

では、どうぶつでは?

 

 

実は、

ヒトと同様にどうぶつでも、

輸血をしなければ命を落とすような場面に遭遇することがあります。

(血液型もちゃんとあるんです!)

 

 

 

当院の供血犬の銀杏には、

採血と採血の間に『1ヶ月以上の間隔をあけないといけない』というきまりがあります。

(できればもっと空けたいんですが、そうもいかないこともあり…)

これは、赤血球が再生してくるのに、

だいたい2〜3週間の期間がかかりますので(サイズや年齢・性別などで個体差があります)

あまり頻繁に採血すると【貧血】を起こしてしまうからなんですね。

 

 

 

そうです。

前置きが長くなりましたが、

今回のテーマは【貧血】です。

 

 

 

そういうことをいうと、

決まってこうおっしゃられる方がいらっしゃいます。

 

 

 

「えっ!どうぶつにも貧血ってあるんですか??」

 

 

 

もちろん、あります!

 

 

 

 

ヒトの血管は、

すべてつなぎ合わせると地球を2.5周するそうです!

そんなからだの隅々まで配置されている血管ですが、

なんのために存在しているのか?

血液を全身へ運ぶためですね!!

血液の中には酸素や栄養がたくさん含まれており、

それらを全身へ運ぶ大事なはたらきがあります。

その大事な血液が少なくなってしまう状態。

それを【貧血】といいます。

 

 

 

だいたいの貧血の原因というのは、

おおまかに分類すると、

 

血管外に出て行っているか(出血)

どこかで壊されているか(溶血)

根本的に作られていないか

 

のうちどれかに当てはまります。

 

 

 

貧血を起こしたどうぶつを自宅でカンタンに見分ける方法は、

歯ぐきの粘膜の色を見るといいと思います。

 

貧血がひどくなってくると、

歯ぐきの色がなくなって白っぽくなってきます。

 

 

 

開院して初めてのそういった患者さまは、

忘れもしない2014年4月。

脾臓破裂のわんちゃんでした。

 

 

 

最近では、

マ(魔)ダニが媒介する『バベシア症』から

貧血を発症した患者さまがいらっしゃいました。

 

 

 

粘膜が白くなるくらい貧血を起こすと

重症度はかなり高い場合が多く、

上記の2頭も来院してすぐに亡くなってしまいました。

 

 

 

実は怖い貧血の話でした。