ペットの病気・気になる症状

【 ひふ 】 犬の肛門にできるイボ

こんにちは!

獣医師の足立です。

すっかり朝晩は寒くなってきましたね。

ふとんが気持ちい季節になりました。

皆様も体調と寝坊にはお気を付けください。

 

 

 

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今日はわりと良く遭遇する

肛門のイボ

肛門周囲腺腫

についてお話します。

 

 

肛門周囲腺って?

脂を出す、皮脂腺のひとつです。

肛門周囲以外に

包皮、尾、腰部背側に存在します。

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肛門周囲腺腫って?

皮膚表面にできる良性の腫瘍です。

ゆっくり大きくなり、

最後は、イボから出血したり

細菌感染し、においがきつくなることもあります。

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どんなところにできる?

肛門周囲腺がある

肛門、包皮、尾、腰背部

できやすいです。

 

 

どうしてできる?

男性ホルモンであるテストステロンの刺激により腫瘍化します。

 

 

どんな子ができやすい?

去勢手術をしていない高齢のオスがほとんどです。

まれに去勢済みのオスや、

メスでもできます。

 

 

治療法は? 

精巣摘出術 (去勢手術)

小さい腫瘍であれば、これだけでイボも小さくなります。

 

イボの切除

去勢済みのオスや、メスの場合

あまりにも大きなイボの場合は、

去勢手術をしてイボが小さくなってからイボの切除を行います。

 

 

予後は?

肛門周囲腺腫であれば、

去勢やイボの切除後は予後良好です。

時々、肛門周囲腺癌という

悪性の場合もあるので要注意です。

 

 

コメント

去勢をしていなくて

肛門に小さなイボがあるのであれば、

大きくなる前に早めに診察へ。

肛門周囲腺腫の可能性があります。

大きくなって悪くなる前に

治療してあげましょう。

 

【 ひふ 】 うちの子フケが出るんです

こんにちは!

獣医師の足立です。

まだまだ暑い日が続きますね。

いよいよ今週末はプチジャンボリー!

私もスタッフもドキドキワクワク♪

楽しみです!

 

 

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おうちのわんちゃん

お腹や脇、ひじ、背中などに

小さく白いフケがでていることはありませんか?

今日はそんなフケの原因と対処法をお伝えします!

 

 

 

【 そもそもフケとは? 】

 

一番外側の皮膚 (角質細胞)

が剥がれ落ちたものです。

 

角質細胞同士は、

細胞間脂質と水分で引っ付いています。

 

この細胞間脂質や水分が少なくなったり、

皮膚覆う皮脂膜が少なくなったりすると

過剰にフケが剥がれ落ちていきます。

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【 フケがでる原因は? 】

 

ずばり乾燥です!

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では、乾燥する原因は?

というと、いくつか原因があります。

以下で説明しますが、原因はひとつとは限りません。

 

 

 

【 乾燥する原因は? 】
アトピー性皮膚炎

皮膚バリア機能の低下、

皮脂や汗の分泌低下を起こします。

 

気温と湿度の低下

皮膚の血流不足

皮脂の分泌低下

皮膚からの水分蒸発

 

栄養バランスの偏り

 

加齢

皮脂量の低下

 

皮膚が濡れる

水は水を引き寄せる性質があります。

体が濡れたままだと、皮膚の水分を吸いとってしまいます。

 

誤った洗浄と乾燥法

肌質にあっていない洗浄剤

過剰なドライイング

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【 治療法は? 】 

 

アトピー性皮膚炎の治療

 

環境の見直し

室温は18~22℃

湿度は60%

エアコンやファンヒーターなどの温風が直接犬に当たらないようにする

 

スキンケアの見直し

保湿: こまめに、クリームタイプの方が保湿力高い

入浴: 血行促進、保湿剤入り使用

シャンプー: 保湿成分入り、アミノ酸系

マッサージ: 血行促進、皮脂や汗の分泌促す

 

フードの見直し

皮膚強化食

必須脂肪酸サプリメント

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人間も顔や手が粉を噴いているとき、

まずはクリームや保湿剤を重ね塗りしますよね?

それはわんちゃんも同じです!

 

乾燥する原因としては、

ひとつではなくいくつかの原因がかさなった

複合的なものです。

 

その子にあった対処法を

探っていきましょう。

【 ひふ 】 夏のねこの皮膚炎

こんにちは!

獣医師の足立です。

今年は各地で花火大会が開催されていますね!

まだコロナ患者さんは出てきてますが、

ワクワクする夏が久しぶりに戻ってきた感覚でうれしいです!

 

 

 

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今日はねこさんの夏に起こる皮膚炎

蚊の刺咬性過敏症

についてお話します!

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【 症状は? 】

主に鼻と耳介、時に肉球に

かゆみや皮膚炎症状が出ます。

蚊が出やすい夏から秋にかけて起こります。

 

 

 

【 何が原因? 】

蚊の刺咬によります。

 

 

 

【 他の似た病気は? 】

●アレルギー性皮膚炎

食物アレルギー

アトピー性皮膚炎

 

●感染

ミミヒゼンダニ

毛包中症

疥癬

皮膚糸状菌症

ヘルペスウィルス

 

●免疫異常

落葉状天疱瘡

多型紅斑

薬疹

 

●腫瘍

扁平上皮癌

 

 

 

【 診断は? 】

その子の生活環境や症状、

上記の似たような病気を除外することにより

診断していきます。

 

 

 

【 治療法は? 】

蚊がいない環境にすることで、数日で改善します。

どうしても外に出る子、症状がひどい子は

ステロイドを投与します。

 

 

【 ひふ 】 猫のイボには要注意

こんにちは!

獣医師の足立です。

先日、インターペットというペットのイベントに家族で行ってきました。

ペット連れの方が多くて、

普段ではあまり見れない種類の犬がたくさんいて

私も子供も大興奮でした!

 

 

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今日は皮膚の腫瘍のひとつ

猫の肥満細胞腫についてお話します。

犬でもできる腫瘍ですが、

犬の物とは病態や治療法がだいぶ違ってきます。

 

 

 

【 肥満細胞腫とは? 】

免疫細胞である肥満細胞が腫瘍化したもの

猫の皮膚腫瘍で2番目に多い。

数ミリから米粒大のしこり

大きなものでは潰瘍化するものもあります。

おもに頭部や首の皮膚に発生することが多いです。

 

 

●できる場所による違い

皮膚型 :皮膚にできるもの

内蔵型 :特に脾臓にできるもの

 

●型による違い

肥満細胞型

― 高分化型 :低悪性度、ほとんどがこれ

― 低分化型 :高悪性度

非定型 :自然消失する可能性あり

 

 

 

【 診断は?】

細胞診

比較的簡単に診断できます。

検査時に肥満細胞中のヒスタミンが放出され

ショック状態になることがあるので注意が必要です。

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病理検査

確定診断で、悪性度も分かります

 

内蔵のものが皮膚に転移していたり、

またはその逆もあるので

腹部超音波検査などの画像検査も必要になあります。

 

 

 

【 治療は? 】

主に外科切除

分子標的薬

抗がん剤

 

 

【 予後は? 】

低悪性度の物であれば、外科手術で完治することが多いです。

高悪性度の物の中央生存値は349日

5個以上多発するものであれば、予後不良の可能性高い。

 

 

 

 

【 症例 】

先日、診察に来られた猫ちゃん

主訴は別にあったんですが、

診察時に耳のしこりが気になり細胞診したところ

肥満細胞腫でした。

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比較的、おだやかな経過をたどる猫の肥満細胞腫

ただ時には大きくなり痛々しい見た目になったり

転移する可能性もあるため

小さいしこりのうちに気づいて治療してあげれるといいですね。

 

 

【 ひふ 】 黒いイボには要注意

こんにちは!

獣医師の足立です。

 

だんだん暑くなってきました!

そんな暑い日でもないのに、

子供が汗びっしょりになるので

我が家では早々とエアコンが稼働し始めました。

 

暑いとダレてしまいますが

これからの夏のイベントが楽しみです。

 

 

 

 

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今日は皮膚の腫瘍のひとつ、

皮膚黒色腫についてお話します。

 

 

 

【 どんな病気?】

皮膚や瞳、毛の色をきめる

メラミン色素の元である

メラノサイトが腫瘍化したものです。

 

 

皮膚黒色腫の中でも

良性と悪性のものがあります。

悪性: メラノーマまたは悪性黒色腫

良性: メラノサイト―マ

とそれぞれ呼ばれています。

 

 

犬の皮膚黒色腫の中では

12%以上が悪性と言われています。

主に老齢で悪性のことが多いです。

 

 

黒色腫は体の様々な部位にできます。

犬では

口の中、唇、皮膚、眼の順で多いです。

猫では

黒色腫自体が少ないですが

皮膚にもでき、ほとんどがです。

 

 

 

【 腫瘍の見た目は? 】

主には黒色ですが、

茶色、赤色、白色のものもあります。

 

形はいわゆる“イボ”のものもあれば

斑点状のものもあります。

 

 

 

見た目で良性か悪性かは判断できません。

 

 

できる場所によって悪性のものの可能性が高くなります。

口の中、唇

皮膚でも爪の根本、肉球

にできるものは悪性の場合が多いので

早めに診断、治療を行った方が良いです。

 

 

 

 

【 診断は? 】

切除し、病理検査を行います。

 

 

【 治療は? 】

外科切除が第1選択です。

他は、放射線治療が適応です。

化学療法単体ではあまり効き目がないですが、

他の治療と組み合わせて使っていきます。

 

 

 

【 予後は? 】

良性の場合

外科的に完全切除することで良好です。

 

悪性の場合

メラノーマは他の臓器、皮膚に転移しやすいものです

外科切除後でも慎重に経過観察が必要です。