なぜか病気というのは重なるもので、
開業以来あまり診ていない疾患だったのが、
たった1ヶ月の間に4件出会うこともあります。
今回はそんなお話。
「先生、あごの両側の付け根が腫れているんですけど。」
そういって3人の飼い主さんが来院されました。
いままではだいたい歯周病で腫れているパターンや、
唾液腺が壊れて腫れているパターンが多かったのですが、
その場合は片側だけというケースがほとんどでした。
触診をすると、アゴの付け根だけではなく、
首、脇、股、膝の裏なども実は腫れていたのです。
そこには体表の「リンパ節」が存在する場所です。
この病気、
アゴの付け根の腫れが最も気づきやすいので、
だいたいがその主訴で来院されます。
腫れが
硬くて、触っても痛みはなく、ボコボコしている。
そして徐々に大きくなってきている。
こんな場合は腫瘍を強く疑います。
しこりを採取して病理に送ると、3件とも
「リンパ腫」
という診断で返答が帰ってきました。
簡単にいうと、「がん」です…。
基本的には抗がん剤が良く効いてくれる「がん」です。
「がん」にはいろいろな種類があり、
それぞれに効く・効かないがあるので、病理診断は必須です。
最近、見た目「がん」っぽくなく、
そんな腫れてもいない臓器を病理検査に出したら、
「がん」と言われて僕自身びっくりした経験があります。
よくあるご質問で、
「小さいシコリがあるんだけど、様子見てていいか」
とよく言われるんですが、
正直、「見た目だけではハッキリとは申し上げられません」
だいたいはわかるんですが、
たまに大丈夫に見えてもびっくりする診断がつくことがあるからです。
だからといってなんでもかんでも手術で取るわけにもいかないので、
しっかりリスクや今後のチェックするポイントなどをお話しした上で、
経過観察をお願いすることも多いのが現実です。
経過観察してると手遅れになるケースもあるため、
シコリを主訴に来られる飼い主さんにはよく説明する必要があります。
※4件中1件のリンパ腫はアゴではなくお腹の中でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
撮影会の件では、いろいろなご意見をいただきました。
これからも、理念に基づいて
地域の方々にさまざまなペットサービスを展開していけたらな〜
と考えております。
僕は、医療医療している重苦しい空気感はあまり好きではありません。
「人と動物とが良く生きる」というおおまかなコンセプトのもと、
様々なペットサービスを展開し、
飼い主さんの不安を解消していけたらと考えております。
こういったアイデア、思いついたときの行動力、実行力は僕の長所だと思います。
いつまでたっても、新しいことに挑戦する気持ちは忘れないようにしたいですね。