ペットの病気・気になる症状

当院で対応可能な手術 2015年まとめ

こんにちは

獣医師の中です。

 

去年、「整形外科は手術できない」といいました。

しかし、

オーナー様からのご要望が多かったため、

「このままじゃあかん」と考え、

座学・見学・実習を積み重ねたのち、

今年は、

できることとできないことを見極めながら、

整形外科手術を行ってきました。

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写真は、

整形外科手術セット

神経外科手術セット

眼科手術セット

プレート固定手術セット

ウサギ・ハムスター・フェレット・鳥類などの小動物の手術セット

です。

今年はだいぶ器具が増え、できることも増えました。

まだ、軟部外科A・Bセットに、創傷処理セット、歯科セット、エキゾ処置セットなど…

2軍も合わせると大変な数です。

手術器具とはサージカルステンレスを使用して

高圧滅菌に耐えれるように作られてますから、

「なんでこんな高いねん」

ってくらいごっつ高いです。

(ハサミ1本で自転車が買え、ひとセットでクルマが買えます)

同じ手術を数十件しないと元は取れません。

でも、手術がうまくいき元気になっていく患者を見るのと、

オーナー様からかけていただく「ありがとう」という言葉は、

スタッフ一同、とっても嬉しいので、

それをやりがいにして、

借金にまみれながらもみんな頑張って仕事をしています。

 

 

今年も、手術を含む医療全般において、

できなかったことをできるようにするために、

研鑽を積み重ねてまいりました。

手術の勉強をしたあと、実際に練習を繰り返し技術をモノにしていくのですが、

(スーパーで手羽先やもも肉などを買ってきて練習します)

血も出ないので、とても楽しいです。

例えるなら、高さ5センチの綱渡りです。

落ちてもなんら問題ありません

 

しかし、これが実際の患者に行う実戦の手術となると全く別物です。

がかかっているため、

例えるなら、高さ100mの高層ビルからの綱渡りです。

やってる行為自体は同じかも知れませんが、状況が全く違います。

 

手術前は、解剖学の本を見ながらイメトレ。

手術中は、変な汗が出っぱなし。

(1時間が5分くらいに感じます。

冷静かつリラックスが最良、

緊張して自分を見失うようではいけません)

手術後は、ドキドキしながら本当に手術がうまくいったのか…。

 

手術は、切って止めて縫っての基本工程の繰り返しです。

しかし結果がモロに出てくるので、

現実から逃げずに受け止めなければなりません。

(どうぶつのせいにしてはダメです)

 

 

必ず頭の中に置いているのは、

客観的に見た自分の未熟さ・甘さです。

患者に危険がないかどうか。

執刀させていただくことで結果に責任を持てるかどうか。

 

けして無謀に、難手術に手を出すことなく、

治ったからといって慢心することなく、

さらに良い結果を出すために改良を続けることを心がけています。

 

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これまでに当院で行った軟部外科以外の手術に関してですが、

  • 下腿骨骨折整復術
  • 膝蓋骨内方脱臼整復術
  • 前十字靭帯断裂の関節外法
  • 片側椎弓切除術(椎間板ヘルニア)
  • 大腿骨頭切除術(レッグペルテス症・円靭帯断裂を伴う股関節脱臼)

 

腫瘍外科手術・形成外科手術・歯科手術・腹部外科などは従来通り対応可能。

胸部外科・脳外科に関してはまだ技術も経験もなく対応不可となります。

眼科はできることとできないことがあります。

オーナー様のみ手術の立会いは可能です。

 

これからも、当院をよろしくお願いいたします。