ペットの病気・気になる症状

不治の病『猫のFIP』

人に不治の病があるように、

猫にも不治の病と呼ばれているものがあります。

 

 

 

そのうちのひとつ。

『FIP』をご存知でしょうか。

和訳すると猫伝染性腹膜炎(feline infectious peritonitis;FIP)といいます。

 

 

 

 

「伝染性」とありますが、他猫にうつることはありません。

猫の約80%が 感染していると言われている猫腸コロナウイルスの変異型であり、

現在の抗体検査、 遺伝子検査の精度ではコロナウイルスと区別がつきませんが、

腸以外の場所からコロナウイルスが検出されると確定診断となります。

 

 

有効な治療法は現在のところありません。

 

 

たちのわるいことに、子猫もたくさんかかるため、若い命を散らすことも多々あります。

 

 

 

 

 

 

『不治の病』を診断するとき、獣医師としては得もいえぬ無力感にさいなまれます。

苦しむ患者さんに何もできない無力感。

「なんのための獣医師だ」「なんのために獣医学を勉強してきたんだ」

 

 

 

 

昔は不治の病であった『がん』も今は治る病気になってきています。

世界中の獣医学に精通した有能な研究者たちが解明を急いでいます。

町医者としては、犬猫のパルボウイルスのように、効果的な治療法が見つかるのを祈るばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

意外と怖い外耳炎

最近めっきり寒くなりましたね。

病気というのはその病気ごとに流行る時期があることも多く、

時期である程度推察されることもあります。

 

 

 

しかし、時期関係なく、よく来院されるのが外耳炎の患者さんです。

(湿気のこもりやすい梅雨〜夏の時期にはより多くなります)

まぁ、症状もわかりやすいので問題ないのですが。

 

 

 

頭を振ったり、後ろ足で顔の側面をカカカッと蹴ったりしていませんか?

そんなときは、ぜひ左右のお耳の穴を見てあげてください。

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片耳と比べて赤くなったりしていませんか??

それは「外耳炎」かもしれません。

 

 

外耳炎は慢性化してしまうと耳道がボコボコになってしまい

詰まってしまうこともあります。

以下の画像のようになってしまうと、

中耳炎を併発し、顔が傾くなど、かゆいだけじゃなくなってしまいます。

最終的には手術で耳の穴(外耳道)をとってしまわないといけないことも。

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1枚目はシーズー、

2枚目はアメリカンコッカーですが、脂っぽい肌質の犬種は外耳炎になりやすいです。

また、先日手術したのは柴犬さんですが、

柴犬のようなアトピー体質の犬も外耳炎になりやすいことから要注意。

耳が垂れている犬種もなりやすいと言えます。

 

 

 

予防する方法は、定期的な「耳掃除」です。

やり方は、洗浄液を用いる方法が一般的です。

けして綿棒を突っ込んでの耳掃除はしないでください!

耳垢を奥に押し込むことになりますし、

外耳道にさらにダメージを与えることがあります。

 

 

なにか気になることがあれば、

お気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。

鼻ぺちゃ犬の「短頭種気道症候群」

こんにちは、

寒くなると持病の椎間板ヘルニアが痛む院長です。

椎間板ヘルニアのワンちゃんにはつい感情移入してしまいます。

 

 

そういうトコロもあり、

動物用のコルセットをもっと認知してもらおうと、

待合室にサポーターのコーナーを作りました。

よろしければ待ち時間にでもご覧ください。

 

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今回は、「短頭種気道症候群」についてお話しします。

鼻ぺちゃのワンちゃんを飼っていらっしゃる方は必聴です!

 

 

 

パグ・フレンチブルドッグ・ボストンテリアなどの鼻ぺちゃ犬のことを

「短頭種」といいます。

漢字だけでイメージすると、

みじかいあたま?ってなるのでわかりにくいですよね。

(少なくとも僕はそう思いました)

この「頭」とは、

「鼻の長さ」と思っていただければご理解いただけるのではないでしょうか。

 

 

あの鼻ぺちゃ具合、かわいいですよね。

フゴフゴいうのもかわいい。

凄いいびき、かくところもかわいいですね。

きちんと寝れてんのかな?みたいなね。

 

 

 

しかし、獣医師としては、あのフゴフゴやいびきは実はかわいくないのです。

 

 

 

西武の菊池雄星投手が鼻の手術を受け、

呼吸が改善されたのちに免疫力やパフォーマンスが改善されたのは有名な話です。

 

 

 

鼻が詰まって呼吸がしづらいのは決して良いことはないのです。

 

 

短頭種の彼らの鼻をみてください。

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※ネットから引っ張ってきてます。

 

 

 

重度のところなんかいかにも呼吸しづらそうですよね。

僕らが鼻をつまんだ状態で呼吸するようなもんです。

 

 

 

一度鼻をつまんで呼吸してみてください。

 

 

 

ホラ、辛くないですか???

 

 

 

彼らの呼吸というのは、こういうことなんですね。

 

 

 

 

 

 

 

この状態を放置すると、

興奮するとすぐにチアノーゼになったり熱中症になったりします。

また、「呼吸するところ」=「気道」

取り返しのつかない変化を引き起こすことがあります。

 

最悪、慢性的な呼吸困難になり命に関わることもあります。

 

 

 

当院では、いびきや鼻の穴の狭窄がひどい子は

若いうちに(避妊去勢手術のときが一番多い)

気道を広げる手術を受けることをすすめています。

 

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※これ以外にもノドチンコを短くしたりすることがあります。

 

 

 

 

手術後は、いびきが消えたり、運動能力の向上が期待できます。

 

 

 

 

息苦しいままにしておくのは健康面では決して良くありません。

 

 

 

 

犬や猫にもスキンケア?

もちろん人間ではスキンケアは一般的だと思いますが、

どうぶつのスキンケアには馴染みがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

 

 

何を隠そう、僕も獣医師になるまでは「どうぶつにスキンケア?」と思ってました。

 

 

 

 

しかし、獣医師になってからまずビックリしたのは皮膚病のどうぶつの来院頻度の多さです。

(全体の約3割は皮膚病といわれています。)

そして皮膚病を勉強すればするほど、スキンケアの奥深さを知ることになります。

まぁ、それもそのはず、我々もスキンケアしないと肌は荒れますよね。

ただ、適当にシャンプーや保湿をしても効果は低いです。

その子その子の肌に合ったスキンケアのやり方を指導する。

ただそれだけで皮膚病が治ることもしばしば経験しました。

 

 

 

 

スキンケア、大事なんです。

 

 

 

 

そこで、当院では

獣医師・動物看護師・トリマーそれぞれに

飼い主さんに指導できるレベルまでスキンケアを勉強してもらっています。

 

 

 

先日は、獣医師・トリマーでどうぶつのスキンケアの院内研修を行いました。

(受付・看護師は昨年受けました)

 

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まず、

 

「どうぶつの皮膚は、人と同じ構造ではない」

 

ところの基礎から始まり、

よく見る疾患のスキンケアの方法論を勉強しました。

(適切なシャンプーの選び方、保湿の概念など)

 

 

 

 

昨日は、台風のなか、長崎先生・本落さんに院外研修に行ってもらいました。

 

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当日はパピーパーティだったので、僕は行けませんでしたが、

新しい発見があり、非常に勉強になったそうです。

 

 

 

 

最近では、どうぶつの皮膚科の専門医や認定医の先生も増えてきています。

それだけ、皮膚病で悩んでいるどうぶつが多いということでしょう。

 

 

 

 

ご自身の頭髪を洗う、または体をゴシゴシするような感覚でどうぶつをシャンプーしていませんか?

 

自己流のスキンケア、本当に正しいのでしょうか?

 

どうぶつのスキンケアのことでわからない点があれば、お気軽にスタッフまでお尋ねください。

先生、あごの付け根が腫れています!

 

なぜか病気というのは重なるもので、

開業以来あまり診ていない疾患だったのが、

たった1ヶ月の間に4件出会うこともあります。

 

 

 

今回はそんなお話。

 

 

 

 

「先生、あごの両側の付け根が腫れているんですけど。」

そういって3人の飼い主さんが来院されました。

 

 

 

いままではだいたい歯周病で腫れているパターンや、

唾液腺が壊れて腫れているパターンが多かったのですが、

その場合は片側だけというケースがほとんどでした。

 

 

 

触診をすると、アゴの付け根だけではなく、

首、脇、股、膝の裏なども実は腫れていたのです。

そこには体表の「リンパ節」が存在する場所です。

 

 

 

この病気、

アゴの付け根の腫れが最も気づきやすいので、

だいたいがその主訴で来院されます。

 

 

 

腫れが

硬くて、触っても痛みはなくボコボコしている。

そして徐々に大きくなってきている。

こんな場合は腫瘍を強く疑います。

 

 

しこりを採取して病理に送ると、3件とも

「リンパ腫」

という診断で返答が帰ってきました。

簡単にいうと、「がん」です…。

 

 

 

基本的には抗がん剤が良く効いてくれる「がん」です。

「がん」にはいろいろな種類があり、

それぞれに効く・効かないがあるので、病理診断は必須です。

 

 

 

 

最近、見た目「がん」っぽくなく、

そんな腫れてもいない臓器を病理検査に出したら、

「がん」と言われて僕自身びっくりした経験があります。

 

 

 

 

よくあるご質問で、

「小さいシコリがあるんだけど、様子見てていいか

とよく言われるんですが、

正直、「見た目だけではハッキリとは申し上げられません」

だいたいはわかるんですが、

たまに大丈夫に見えてもびっくりする診断がつくことがあるからです。

だからといってなんでもかんでも手術で取るわけにもいかないので、

しっかりリスクや今後のチェックするポイントなどをお話しした上で、

経過観察をお願いすることも多いのが現実です。

 

 

経過観察してると手遅れになるケースもあるため、

シコリを主訴に来られる飼い主さんにはよく説明する必要があります。

 

 

※4件中1件のリンパ腫はアゴではなくお腹の中でした。

 

 

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撮影会の件では、いろいろなご意見をいただきました。

これからも、理念に基づいて

地域の方々にさまざまなペットサービスを展開していけたらな〜

と考えております。

 

僕は、医療医療している重苦しい空気感はあまり好きではありません。

「人と動物とが良く生きる」というおおまかなコンセプトのもと、

様々なペットサービスを展開し、

飼い主さんの不安を解消していけたらと考えております。

 

こういったアイデア、思いついたときの行動力、実行力は僕の長所だと思います。

いつまでたっても、新しいことに挑戦する気持ちは忘れないようにしたいですね。