ペットの病気・気になる症状

アトピーと友達になる方法

こんにちは!獣医師の足立です。

ここ2、3日の間に金木製の香りがふんわりして来ましたね。

毎年この匂いをかぐと、冬の入り口に来たな~

と思うのですが、、、まだまだじんわり暑い日が続きますね。

寒暖差が毎日あるので、体調に気をつけて行きましょう!

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ご家族のワンちゃんで

アトピー性皮膚炎と診断され、

長期にわたりかゆみがでていたり

年中、もしくはしょっちゅうかゆみ止めを飲んでいる方はいませんか?

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今日ご紹介するアトピーの治療法は、

完治はしないと言われているアトピーでも

唯一、治る可能性があると言われているものをご紹介します。

 

 

 

舌下免疫療法というものを聞いたことありませんか?

人間のスギ花粉症などの治療法で、

1日1回、舌の下に治療薬を垂らすというものです。

上手くいけば、花粉症が治ったり

長期的に症状を抑えられる可能性があります。

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この治療薬というのは、ずばりアレルゲンです。

上記の治療の場合は、スギ花粉になります。

最初は少量から、徐々に量を増やしていって体に慣らさせていくという治療です。

 

『スギ花粉アレルギーなのに、

スギ花粉を投与したらよけい症状がひどくなるんじゃないの?!!』

と心配されると思いますが、大丈夫です。

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体には不思議な機能があります。

日常生活で取り込まれるアレルゲンの量より

多い量のアレルゲンが体内に入ると、

アレルギーを抑える細胞や物質増えてきます。

それと反比例して、

アレルギーを起こす細胞や物質が減っていきます。

 

この機能を利用したものが舌下免疫療法。

減感作療法と呼ばれるもののひとつです。

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ワンちゃんでも同じような治療法が近年できました。

治療法の流れは

1週間に1回の注射を、6回続けます。

その後は皮膚の状態や、

飼い主さんと相談の上注射の間隔を空けていきます。

 

人間では効果が出るとしても、

3年から5年かかるとは言われていますが

ワンちゃんでは早ければ6週間で効果が出ます。

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この治療法はこんな子におすすめです。

■いろんな薬を飲んだけど、かゆみや皮膚炎を抑えられない。

■毎日の投薬が大変。お薬を減らしたい。

■治る可能性があるのであれば、試してみたい。

など。

 

 

 

この治療法を進めるにあたっては、

いくつか条件を満たす必要があります。

薬の効果の程度は、その子それぞれです。

少しでも気になるようであれば、くわしくは獣医師にご相談ください。