「私は獣医師になりたい。
なぜなら、動物が好きで、人とはあまり関わりたくないから」
獣医師になりたいといった人の中には、
こういった人も少なくないかもしれません。
僕も、昔から変わりもので、どちらかというと、
人より動物との関係を重要視していたような子供でした。
実際は、上記の考えは大きな間違いだったわけですが。
動物の繋がれているリードの先には、人がいます。
つまり、獣医師には人とのコミュニケーション技術が不可欠なのです。
「正しい医学知識と技術をもって、患者の診断と治療を行えば必ず成功する」
これも、古い考えです。
僕は、医師と患者とのコミュニケーションこそが最も重要であり、
治療成績や満足度に大きく影響すると考えています。
「人と動物との共生を考える」
理念には、前提として、思いやりを持ったコミュニケーションがあります。
我々は、信念とする医療倫理観を基準としながら、
オーナー様の価値観、ペットとの絆をできるだけ考慮し、
その暮らしについて考えていきたいと思います。
そのためには、お互いが理解し、納得するまで話し合うことが重要です。
人にはそれぞれ考え、価値観、倫理観が異なり、
100%正しい選択肢なんてないのですから。
あなた自身の、信頼している「かかりつけの先生」はどうでしょうか?
おそらく、手短に、ゆっくりとした口調、わかりやすい言葉で話す、
優しい表情をした先生ではないでしょうか。
絵や図を使って教えてくれることもあるかもしれません。
また、親しみやすく、何でも聞きやすい、スタッフの雰囲気。
僕は、そういう理想の動物病院を作りたいと思いました。
眼も合わさず、事務作業のように、難しい医療用語を語り、言うとおりにするだけ…
たとえ治ったとしても、僕は、そんなお医者さんに診て欲しくありませんから。