こんにちは。
獣医師の長崎です。
みなさんは動物病院でデンタルケアを勧められたことがありますか?
3歳以上のワンちゃんの80%以上は歯周病に罹患していると言われています。
歯周病は、顎の骨が溶ける病気で、重度の歯周病になると歯が抜け落ちてしまいます。
その病態を例えるなら、
家を支える土台がボロボロになり、その家が根元から崩れ落ちるような状態です。
歯も同様で土台がしっかりしていなければ、その歯はやがて抜け落ちます。
シロアリが家の土台を食い荒らすように、歯周病菌が歯の土台を蝕むのです。
*画像は転載しています
歯磨きは、歯周病菌の増殖を防ぐ一番有効な手段です。
歯垢が歯石に変わるのが犬の場合3~5日なので、
歯周病を防ぐためには少なくても3日に1回の歯磨きを推奨しています。
しかし実際に歯磨きをしてみると、ワンちゃんが嫌がって上手くできない場合があります。
また、忙しい人はワンちゃんの歯磨きを継続できない場合もあります。
今回はそんな一度歯磨きを諦めた人にも
取り組みやすいデンタルケアの方法を2つご紹介します。
①デンタルガム
1日1本おやつとして30日間与えると、
フードのみを与えている場合に比べて、歯石の付着が約70%減少します。
これなら継続しやすいですよね。
しかし歯周病を防ぐためには、歯と歯茎の隙間に潜むバイ菌にアプローチすることが出来る歯ブラシが最も効果的。
そこで、比較的簡単にできて、歯ブラシへのステップアップになる方法もご紹介します。
②歯磨きペースト
当院で採用している歯みがきペーストはチキン味、バニラ味などワンちゃんの好きそうな4種類の味があります。
これを指につけておやつとしてわんちゃんに舐めさせます。
この歯みがきペーストは、歯周病菌の増殖を抑える効果があるので、
これをおやつ代わりに毎日舐めさせながら歯と歯茎に擦り付けるだけでも、歯周病予防の効果が期待できます。
写真のように歯みがきペーストを使って口の中を触る練習が出来ます。
手前の歯から奥歯に向かって順番に指で、歯茎や歯を優しくマッサージします。
このようにワンちゃんが歯を触られることに徐々に慣れてくれれば、
歯みがきが出来る日もグッと近づきます。
歯みがきが出来るようになるには、約3ヶ月かかると言われています。
焦らず、少しずつ、もう一度歯みがきチャレンジしてみませんか?!