病院ブログ

動物用のオーダーメイド固定具

免疫介在性多発性関節炎とは、聞き慣れない病名であると思います。

本来自分の体を守るはずの免疫が、関節を攻撃してしまう病気です。

本来日本国を守るはずの自衛隊が、枚方を攻撃してくるようなものです。

原因は自分自身の体なので、免疫を抑えるお薬を生涯飲み続けなければなりません。

 

マウスちゃんは、この珍しい病気にかかっています。

闘病の結果、手首のじん帯が損傷を受け、

外側に過伸展(不安定になること)するようになってしまいました。

 

本来なら関節を固定する手術です。

しかし、自己免疫性の病気をもっている場合、

うかつに関節をさわると、病状が悪化することがあります。

マウスちゃんは、手術ができる体ではありません。

 

そこで今回は長い目でみて、包帯法による外固定ではなく、

オーダーメイドの固定具を作成することになりました。

完成するまでの間は、包帯にて固定していましたが、

歩けるようになってきたとのこと、期待大です。

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IMG_0019脚周りを石こうで固めていきます。

IMG_0021場所を間違わないよう印をつけていきます。

IMG_0022固まったところで、カッターで切れ目を入れて外します。

IMG_0024外れました。

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型取りが完成しました。

 

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近頃は、整形の領域で手術できない症例に対する選択肢として

人間のように固定具といった方法があります。

 

私自身、椎間板ヘルニアや膝痛をもっています。

手術もキライです(笑)

手術を回避し、保存療法でいく際、

固定具は、患部を安定化させ、痛みを軽減するための必須なツールです。

 

私のようにヘルニアもちの動物、膝のお皿が脱臼しやすい、前十字の損傷など、

固定具にはさまざまな適応があります。

いまの動物医療の流れを考えると、

もっと一般的に固定具が用いられていてもおかしくありません。

近い将来、コルセットをつけたわんちゃんがたくさん道を歩いているかも?